オンリーワンであれ!TMI総合法律事務所 戸田謙太郎

弁護士 戸田謙太郎

2020年は元には戻れないほどモノゴトがデジタル化した年と言っても過言ではありません。しかし「人」が大事であること、「人」が問題解決することに変わりはありません。

デジタル化が進んだ世の中だからこそ「人」に着目し、デジタルと寄り添いながら従事する弁護士の内面を伝えたく、今回「弁護士の志や生き方」を読者に伝える為にインタビューを企画しました。

第1回目に、登場してくださる先生は
TMI総合法律事務所 パートナー弁護士 戸田謙太郎さん。

プロフィールから分かるように、エリート街道を走られてきた方。そんな戸田先生の内面や生き方をインタビューさせて頂きました。

戸田先生のプロフィール

1976年 生
1995年:3月 開成高等学校卒業
2001年:3月 東京大学法学部第一類卒業
2008年:1月 テンプル大学ロースクール卒業(LL.M.)
2008年:1月 フィラデルフィアのロウェル・アンド・ヘンダーソン法律事務所勤務
2008年:9月 中央大学法科大学院卒業
2008年:9月 東京のモルガン・ルイス&バッキアスLLP勤務
2009年:9月 ニューヨーク州弁護士資格取得
2009年:11月 最高裁判所司法研修所入所
2010年:12月 第二東京弁護士会登録
2011年:1月 TMI総合法律事務所勤務
2015年:2月 ワシントンのモルガン・ルイス&バッキアスLLP勤務
2016年:5月 TMI総合法律事務所復帰
2019年:1月 パートナー就任
2019年:12月 TMIプライバシー&セキュリティコンサルティング株式会社取締役
2020年:中央大学法科大学院 兼任講師(アジア・ビジネス法)

幼い頃に思い描いた「世界で活躍できる人材」

-海外生活がもたらした大きな経験

父が大学教授ということもあり、小学校の頃から転校が多く海外生活を経験しましたし、海外で転校もしました。

小学校の間だけでも4回転校したことで、様々な環境で生活することができたことは良かったです。

海外で言うと幼稚園時に2年間と小学生時に2年間の計4年間、生活したこともあり国際的に活躍できる人間になりたいという意識を持ちました。

この経験は後に大きな意味を持つことになります。英語でコミュニケーションができるようになったのは人間としても弁護士としても人生にプラスを与えてくれました。

小さい頃から野球が好きで、ずっと野球をやっていました。中学に入り野球をしようと思ったのですが、強豪校が多くとてもじゃないけど全国は目指せない。そこで、東京都に8校しかないという理由でソフトボール部に入部しました。高校では東京都で2位になったものの、残念ながら全国にはいけませんでしたが、後輩が開成高校の運動部では恐らく初めてとなる全国大会出場をはたしてくれました。

-弁護士をしていた祖父の姿を見てきた幼少期

私の名前が戸田謙太郎なので、友人からは「トダケン」と呼ばれることもあるのですが、祖父の名前が戸田謙だったこともあり、祖父は身近に感じる存在でした。弁護士として「人の役に立つ仕事」をしている姿を多くみてきました。周りの方々にお礼や感謝を言われる姿を見て、弁護士はとても良い職業なのだなと子供ながらに思いました。

実際になってみると、いつでも仕事しているので・・・そんなに甘くはなかったですが(笑)。

祖父の名前を継いでいる意識が幼少期からなんとなくあったので、自分も弁護士になるのかなあ、なりたいなあという気持ちは物心ついた時から自然とありました。弁護士になってからは祖父を知っている方から、可愛がってもらえましたし、祖父にとても感謝しています。

-弁護士の価値を更にあげるために必要だった英語

弁護士になった際に人と違う特徴を出そうと思った時に海外の経験が活きました。国際弁護士になるには英語は欠かせませんし、僅かなニュアンスの違いも理解しないといけません。

実務での話をすると、例えば、国際カルテルの案件では、海外当局による従業員の方へのインタビューに同席したりしますし、海外当局とのコミュニケーションは全て英語です。通訳の方に通訳をお願いしますが、言葉として正しく通訳してくれたとしても、ニュアンスや気持ちまでは正確に伝わりづらい部分もあります。通訳を介さずコミュニケーションを取ることで先方にも、相手方の弁護士にも信頼してもらうことができます。これは私にとって大きな武器となりました。

コミュニケーションすることで広がっていく世界と解決する世界へ

-海外での経験が弁護士人生を作ってくれた

フィラデルフィアとワシントン、2度海外の法律事務所で実務を行いました。

1度目のフィラデルフィア時代は、ロースクールを出た直後だった為、目に映るすべてが新鮮で良い経験をさせてもらいました。2度目のワシントンは、日本での実務経験をした後の出向でした。独禁法チームの中で仕事に従事し、日本での案件を継続してやることになったので、全体像を把握しつつ進めることができました。海外の法律事務所がどのように案件にを進めるのかを間近で見ることができたのは良い経験でした。その時に繋がった人脈は今でも続いていますし、私が専門とする独禁法はワシントンが一丁目一番地なので、かけがえない経験であり、財産になりました。

2度の海外経験によって、右も左も分からない状態で行く良さ、ある程度経験を積んでから行く良さ、どちらも肌で感じ学びました。

史上最大の国際カルテルと言われる一連の自動車部品カルテルの案件に関わったことが私の弁護士人生を決めました。企業側、個人側、いずれの立場でも弁護しました。この案件がきっかけとなり付き合いが続いているクライアントや海外の弁護士もいるので、振り返ってみると、この案件が私の弁護士としての方向性に大きな影響を与えていると思います。今、私が独禁法を専門分野の一つとすることができているのもこの案件に関わることができたからこそです。

また、独禁法での有事対応の経験が、平時のコンプライアンス体制の構築に関する案件にも繋がりました。 このような様々な案件が事務所にあって、入所した時にたまたま案件がはじまる時で、そこにたまたまアサインして頂けて、運が良かった様に思いますし、人生の転換期というのは、そういう時に迎えるのかもしれません。

-昨今のデジタルプラットフォーマーと独禁法について

私がはじめてドキュメントレビューに関与したのは、ディスカバリーが紙中心から電子データのレビューへと転換しだした15年前くらいだったと思います。その当時からITには興味がありました。今でこそ、リーガルテックと言われるようになりましたが、ITを使いながら法律業務を行うことへの興味はもっていました。

そんなこともあり、いわゆるGAFAなどのデジタルプラットフォーマーと独禁法の問題にも自ずと興味を持つようにはなりました。

Facebookが米政府から訴えられたという話が最近ありました。

このニュースには驚きました。以前、当局が認めたにも関わらずそれを覆したからです。米国らしいと言えばそうですが、市場の独占を維持するための企業買収だったので独禁法違反ですよと。日本では考えにくいケースです。

一方、国内ではデジタルプラットフォーマーの行為が公正取引委員会に調査されています。改正により導入された確約手続き(※)という新たな制度も設けられたため、こういった流れはしばらく続くのではないかと思います。

デジタルプラットフォーマーに限らず、芸能界、人材、フリーランスなど、新しい分野に独禁法を活用して、公正な競争によるよりよい経済社会を作っていこうとする流れは今後も続くのではないかと考えています。(下記参考URL参照)

こういった新しい分野においてもお客様の助けになれるように、しっかりキャッチアップしつつ今後も情報発信やセミナーを開催していく予定です。

※確約手続きとは
公正取引委員会と事業者との「合意」により自主的に独禁法違反の疑いを解決するための手続

参考URL
「大手企業、新興の知財搾取」公取委が警鐘
フリーランス、独禁法で保護 企業の過剰な囲い込み防止
巨大IT・フリーランス… 公取委、領域広げる

未来を見据えつつ挑戦し続ける姿勢を

-まだまだこれからが本番なリーガルテック

リーガルテック(法律×IT)はまだまだはじまったばかりの分野で発展途上中が故に面白い分野です。コロナ禍の影響で電子契約などのツール導入は進んでいるようには感じます。今後どのようなツールが広がっていくのか、これからのリーガルテックの拡大に期待しています。

-コロナ禍で気づいた「会うこと」の重要性

確かにコロナ禍によってデジタル化は進んだように思います。非常事態宣言時は一気にオンライン化が進んでWeb会議が中心になりました。移動時間が0になり便利になったと所内でも話をしていました。ただ、その一方で会うことの重要性にも気づかされました。

今では、状況に応じてWeb会議とリアルの会議を使い分けるようになりました。元々は当たり前だったことが今ではとても重要なことだったのだと気付かされました。

-語学、海外経験を生かしつつ、闘う

海外進出を挑戦した日本企業でコンプライアンス系のトラブルに巻き込まれてしまった企業のお手伝いはとてもやりがいを感じます。私としても興味のある分野です。今後も積極的に関わっていきたいですし、頼られる存在でありたいと思っています。

またTMIプライバシー&セキュリティコンサルティングの取締役もやっていますので、リーガルテック業界において存在感を示せる活動をしていきたいと考えています。

-座右の銘は「オンリーワン」

仕事する上で大事にしている信条は「オンリーワン」であることです。

ナンバーワンの存在でなくて良いから、オンリーワンの存在になれるようにと考えながら仕事しています。 この分野なら戸田謙太郎にお願いしたい!となれるように、今後も研鑽を積んでいきたいです。

祖父の姿を見て弁護士になり、祖父のような人間になりたいと夢を描いた戸田先生。

最後にこんな質問をしてみました。

弁護士であったお祖父様の背中は超えられましたか?と。

答えはNo。

祖父は刑事事件も担当していて無罪判決を取ってすごい方だったと祖父を知る方からお話を聞くとまだまだだなと、思います。

その顔はとても穏やかで優しく、そして超える自信があるように見えた。戸田先生の挑戦はまだまだこれからも続く。

インタビュー日:2020年12月22日

戸田先生からのお知らせ


経歴
https://www.tmi.gr.jp/people/k-toda.html

執筆
【改正公益通報者保護法ブログ】 第1回 改正公益通報者保護法の概要
https://www.tmi.gr.jp/eyes/blog/2021/12209.html

セミナー
内部通報制度運用の実務
~実効性のあるグローバル内部通報制度の構築を目指して~
https://form.bri.or.jp/public/seminar/view/11838

デジタル・プラットフォーム事業者が留意すべき法規制
~独占禁止法・個人情報保護法を中心に~
https://www.fngseminar.jp/seminar/index.php?p=detail&num=4464&ot=

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