テレワークで悩ましいハンコ問題!その対策をご紹介
- 2020/6/29
- 法令コラム
テレワークが進む中、浮き彫りになったのがハンコ問題です。たとえば契約書などを交わす際に社印を押す必要があり、わざわざハンコのためだけに出社する人もいらっしゃいます。この記事ではテレワークにおけるハンコ問題の対策を紹介します。
テレワークでよくあるハンコのお悩み
新型コロナウイルスの影響で、テレワークが進んでいます。これまでは大企業だけで進んできたテレワークですが、東京商工会議所が会員の中小企業1,111社に調査(2020年5月29日~6月5日)した結果、実施率は67.3%まで普及しているとのことです。
2020年3月時点では26%だったので、大幅にテレワーク化が進んだことが見て取れます。しかし、テレワークによってハンコ問題が浮き彫りとなりました。具体的にどのような問題があるのかから見て行きましょう。
上司の承認が遅くなる
テレワークにより、上司の承認が遅くなるという問題があります。見積書や契約書、その他書類に上司の承認印が必要な場合、上司の机に置いて依頼したり、直接渡してその場で押印してもらうことが一般的でした。 上司数名の押印が必要な回覧などの場合は、順次印鑑を押して行く必要がありました。しかし、テレワークで押印自体ができなくなったため、承認作業が進まないケースが出ています。
押印のためだけに出社が必要
契約書など、社印が必要な場合は、わざわざ押印のためだけに出社するケースもあります。IT技術普及によりテレワークをしているにもかかわらず、アナログな押印のためだけに時間をかけて出社しなければなりません。
しかも、時間をかけて出社しても押印は1秒で済みます。海外ではハンコの文化がありませんが、日本はハンコ文化です。それがネックとなり、無駄足を課せられるビジネスパーソンは多いのです。
契約自体が進まない
出社しようにも会社が開いていなければハンコは押せません。特に重要な印章は代表者が保管していることが多く、契約書などへの押印のために、代表者との調整まで必要となります。結果的に契約自体が進まず、ビジネスにおける機会損失が起こる場合があります。
ハンコ問題の解決法をご紹介
ハンコ問題が浮き彫りになった昨今、これを機にハンコに対して見直す企業も増えています。ハンコ問題を解決するにはさまざまな方法がありますが、ここではそれらの中から「クラウド型のハンコを活用する」「サイン対応可能か確認する」「先に契約してハンコは別途押印する」の3つを紹介します。
クラウド型のハンコを活用する
クラウド型のハンコを利用してハンコ問題の解決が可能です。たとえば電子印鑑サービス「パソコン決裁Cloud(https://dstmp.shachihata.co.jp/pasoketsulp004/)」は、各種書類への捺印作業を電子化ができ、パソコン上で押印が可能となります。 また、契約の取り交わしをクラウド行う「クラウドサイン」というサービスもあります。これらを活用すれば、ハンコだけのためにわざわざ出社する必要がありません。
サイン対応可能か確認する
そもそもサインで良い場合もあります。FAXや郵送でやり取りする書面の場合はサインで取り交わせる可能性があります。法律的にはハンコよりも署名(サイン)が原則であるため、わざわざハンコを押さなくても良いケースがあるのです。
ただし、ゴム印やタイピング、代筆などで自分の名前を書く「記名」の場合は押印が原則となりますので、ちゃんと手書きしたサインが必要となるケースが多いです。
先に契約してハンコは別途押印する
申込書などにハンコが必要な場合、企業ごとに柔軟な対応をしてくれるところがあります。たとえば、先に押印なしで手続きだけ進め、後日出社した際に押印したものへ差替えるなどの方法です。全ての日がテレワークではなく、定期的な出社日を設けているところも多いため、出社日にまとめて押印すると良いでしょう。
テレワークで悩ましいハンコ問題:まとめ
テレワークの普及により、在宅で仕事ができるようになったものの、出社しなければ書類への押印ができません。1秒の押印のためだけに、時間をかけて出社しなければならない人も多く、非効率を産んでいる状況です。クラウド型のハンコ利用やサイン対応、出社日のタイミングを工夫するなどで対処しましょう。