ご存知ですか?経済産業省は何をしているとこか

経済産業省

6月25日に経済産業省の職員2名が、コロナ禍で売上を大幅に減らした中小事業者への支援制度を利用し「家賃給付金」をだまし取ったとして逮捕されました。

この給付金は経済産業省が打ち出した施策の一つで、給付する側の人間が給付金の詐欺容疑で逮捕されたことから大きな話題となりました。

一方、7月9日には、通商産業省は東京電力福島原発から出る処理水の海洋放出に関し、IAEA(国際原子力機関)から環境への影響監視や国際社会に対する安全性の情報発信などに関する支援を受けることで正式に合意・署名したと発表。

さらには、海洋プラスチックごみへの対策や、Go To イベントなども手がける「通商産業省」とはいったどのような組織で何をするところなのでしょうか。

今回は、何かと話題の多い「通商産業省」について詳しく解説します。

経済産業省のアウトライン

我が国の行政機関は、内閣府の他に総務省、法務省、財務省、厚生労働省、外務省、農林水産省、文部科学省、経済産業省、国土交通省、防衛省、環境省、復興庁などから構成されています。

その中で、経済産業省は約8,000人の職員を抱え、ミッション(任務)は「経済産業省設置法」で次の様に定められています。


第三条(任務)
1. 経済産業省は、民間の経済活力の向上及び対外経済関係の円滑な発展を中心とする経済及び産業の発展並びに鉱物資源及びエネルギーの安定的かつ効率的な供給の確保を図ることを任務とする。

2. 前項に定めるもののほか、経済産業省は、同項の任務に関連する特定の内閣の重要政策に関する内閣の事務を助けることを任務とする。

3. 経済産業省は、前項の任務を遂行するに当たり、内閣官房を助けるものとする。

この条文を整理すると、経済産業省の中心となるミッションは次の3つになります。

  • 民間の経済活力の向上を図る
  • 対外経済関係の円滑な発展を中心とする経済・産業の発展を図る
  • 鉱物資源・エネルギーの安定的かつ効率的な供給の確保を図る

経済産業省の組織

経済産業省は2021年時点では、11の内部部局と3つの外局(庁)から構成され、本省は東京千代田区の霞ヶ関にあります。

また、出先機関として、北海道(札幌市)、東北(仙台市)、関東(さいたま市)、中部(名古屋市)、近畿(大阪市)、中国(広島市)、四国(高松市)、九州(福岡市)にも経済産業局があります。

< 経済産業省の組織図 >

経済産業省が推進する6つの政策

経済産業省では、前項の3つのミッションを遂行するための政策を次の6つに分類しています。

⒈ 経済産業政策

経済産業政策は、経済産業省のミッションの一つ「民間の経済活力の向上」を図る上で重要な政策の一つです。

産業競争力強化

AI(人工知能)の活用やビッグデータなどによって急速な技術革新が進むIT分野が、産業構造や国際的競争力などに大きな影響を与えるようになりました。 そこで「生産性向上特別措置法」及び「産業競争力強化法等の一部を改正する法律」などにより、我が国の産業や経済の発展に必要な支援措置を講じ産業競争力を強化。

産業術力強化

イノベーション促進に必要な環境整備、知的資源の充実、技術革新のための産学連携や研究開発の促進・支援などによって産業技術力を強化。

産業人材の確保・育成

人口減少が進む我が国の産業に必要な人材の確保・育成に向けて「働き方改革」「人づくり改革」、さらには女性をはじめとする多様な人材の活躍を後押しする「ダイバーシティ経営」によって、将来の企業経営を担うリーダー育成を推進。

新規産業・ベンチャーの起業・成長支援

「起業応援の税制」「融資制度の整備」「起業家教育の推進」などを実施し、新しい産業や起業が次々と誕生することによる産業全体の活性化と持続的成長を推進。

⒉ 対外経済政策

対外経済政策は、経済産業省のミッションの一つ「対外経済関係の円滑な発展を中心とする経済・産業の発展」を図る上で重要な政策の一つです。

主要政策

諸外国との関係を円滑に発展させるために、日米の貿易協定締結、英国のEU離脱対応、グローバル市場の最後のフロンティアと呼ばれるアフリカに対する事業進出への支援、原油輸入の約9割を依存している中東との関係深化、EPA(経済連携協定)・TPP(環太平洋パートナーシップ)などを推進。

この他に、日本企業がアジアの新興国企業と連携し、デジタル技術を活用した新事業創出「アジアDX」や農林水産物及び食品の輸出などを支援。

⒊ ものづくり/情報/流通/サービス政策

政府が提唱する、人・モノ・技術・組織などがつながることによって生み出される新たな産業「Connected Industries」の実現を推進。

重点分野は、①自動走行・モビリティサービス、②ものづくり・ロボティクス、③バイオ・素材、④プラント・インフラ保安、⑤スマートライフの5つ。 情報分野では、急速に進歩するIT(情報通信技術)の活用によって新たな生活スタイルの創造やダイナミックな経済活動の実現に向けて様々な政策を立案・実施。

⒋ 中小企業・地域経済産業政策

現在は、新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けた事業者への無利子融資、支援金の給付、事業再構築補助金の支給、Go To商店街事業などの他に、新型コロナウイルス対策補助事業として様々な施策を実施。

地域経済に関する施策としては、地域イノベーション支援事業、地域経済の中心的な担い手となりうる「地域未来牽引企業」の支援、大都市圏の早期離職者と中堅・中小企業とのマッチングなどを促進。

⒌ エネルギー・環境政策

エネルギー・環境政策は、経済産業省のミッションの一つ「鉱物資源・エネルギーの安定的かつ効率的な供給の確保」を図る上で重要な政策の一つです。

主要政策

2011年東日本大震災で発生した福島原発事故を受けて「原発依存度の低減」、そして地球規模の温暖化対策「温室効果ガスの削減」がエネルギー政策の大きな課題。

そのため、主力電源を再生可能エネルギーに移行できるまでの間、原子力・化石燃料などを含めた新しいエネルギーミックスによって、エネルギー需要を満たすとともに課題解決に向けて計画的に推進。

また、海洋プラスチックごみ問題などの解決に向けて、廃棄物の発生抑制・再利用・再資源化という循環型社会に向けて様々なリサイクル施策を実施。

⒍ 安全・安心政策

電力・ガスなどの資源や各種製品などの安全に加え、近年、企業へのサイバー攻撃による被害が増加していることから、国内企業に対しサイバー攻撃に対する注意喚起を行いサイバーセキュリティーの取組強化を促す。

さらに、「情報セキュリティ監査制度」、「システム監査制度」、「ITセキュリティ評価及び認証制度」などを実施。

※上記の政策に関する具体例は、通商産業省の行っている業務の一部を紹介するもので、詳細を知りたい方は 経済産業省の政策一覧 をご参照ください。

経済産業省は何をするトコ?/まとめ

経済産業省の仕事は、国内産業の強化・発展の促進、変化する国際情勢における取引の安全強化及び輸出促進、新たな価値観・新たな産業の創出促進、中小企業・地域経済への支援、地球環境を守る持続的なエネルギー政策、資源・材料・製品・情報などの安全強化など多岐に渡っています。

本記事では、その一部しか紹介できませんが私たちの生活に深く関わっている機関であることは理解頂けたのでは無いでしょうか。

冒頭の経済産業省の職員2名が給付金の詐欺容疑で逮捕されたことは残念ですが、日本の未来を左右する国の行政機関の一つが「通商産業省」であることには間違いありません。

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