稟議書とは?必要性や書き方、フォーマットを徹底解説
- 2020/10/5
- 法令コラム
会社の資金を利用する際、上司から「稟議書」の提出を求められることがあります。今回の記事では、そんな稟議書の必要性や書き方、フォーマットを分かりやすくご紹介します。
稟議書とは
稟議書とは、物品やサービスの購入で社内の資金を利用する際に、社内の上層部から承認を得る目的で作成する社内文書です。読み方は「りんぎしょ」となります。
稟議書の必要性
社内の資金を利用して高額な物品やサービスを購入する際、一般的には会議を開いて複数の決裁者から承認を得る必要があります。
しかし会議を開くには、参加者全員のスケジュールを調整したり呼び出しの手続きが必要となるなど、非常に手間がかかります。部長や役員クラス上層部は多忙なことが多いため、毎回会議を開催して承認を得るのは現実的ではありません。
そこでビジネスの現場では、稟議書を上層部の人たちに回覧させる形で、一度に必要となる承認をまとめて得る方法が採用されています。稟議書を活用すれば、会議を開催する手間を削減できる上に、意思決定をスムーズに行えるようになるわけです。
稟議書の記載内容
稟議書に記載すべき内容としては、主に下記項目が挙げられます。
件名
「クラウド勤怠管理のソフト導入に関して」などのように、一目で稟議の内容が理解できるような件名にしましょう。
稟議の内容
承認を得たい取引内容に関して、具体的に記載します。なぜその取引が必要なのかはもちろん、稟議を可決することでどのようなメリットを得られるのか、反対にどのようなリスクやデメリットがあるかをはっきり記載するのが重要です。
契約先
取引先の会社概要や所在地、事業内容を記載します。特に大手企業の場合、実績を持つ企業との取引を重視するため、忘れずに記載したい部分です。
金額
取引やサービス・製品の購入にどのくらいの金額がかかるかを記載します。なるべく具体的に金額を提示することで、稟議書を承認してもらえる可能性は高まります。
決裁区分
決裁者が稟議結果についてチェックをつける項目です。内容に応じて、「承認」、「条件付き承認」、「保留」、「否決」などの項目を盛り込んでおきましょう。
承認欄
部長や社長など、稟議内容を承認する決裁者がサインできる欄を設けます。取引内容や会社によってどの決裁者の承認が必要かは異なるため、あらかじめ確認しましょう。
決裁日と申請日
稟議書の作成者が申請した日付と、決裁者が承認した決裁日を記載します。
稟議書の書き方
稟議書を用意したからと言って、かならずしも内容が承認されるとは限りません。少しでも承認される確率を高めたいならば、下記3つのポイントを抑えた上で稟議書を記載するようにしましょう。
簡潔で分かりやすい文章にする
忙しい決裁者でも一目で内容が理解できるように、稟議書の内容は簡潔で分かりやすい文章にしましょう。詳しく説明するとかえって分かりにくい文章となり、承認を得られる可能性が下がるため注意が必要です。
箇条書きを使ったり専門用語を多用しないようにするなど、些細な心がけで分かりやすい文書を作りましょう。
あらかじめ稟議内容を決裁者と共有しておく
突然決裁者に対して稟議書を提出すると、「得体の知れない取引にお金を出すのか」と警戒されるリスクがあります。
警戒されて承認をもらえなくならないように、あらかじめ稟議書の内容は決裁者と共有しておくのがベストです。かしこまって伝えなくても、メールや口頭で伝えておくだけでも、警戒心を解くことができるでしょう。
具体的なデータを盛り込む
会社の資金を出す以上、根拠のない取引は承認してもらいにくいです。
稟議書を可決してもらうには、統計や公的機関が出した調査結果など、具体的なデータを盛り込むのが効果的です。ただし不要なデータを盛り込むと、かえって読みにくい稟議書となります。あくまで必要なデータを最低限盛り込むようにするのがポイントです。
稟議書の無料フォーマット
手っ取り早く稟議書を作成したいならば、インターネット上にある無料フォーマットを利用するのがオススメです。フォーマットには最低限記載すべき項目がすでに盛り込まれているため、項目を埋めるだけで簡単に実用的な稟議書を作成できます。
数ある無料フォーマットの中でも、「文例書式テンプレート集」というサイト内にある稟議書フォーマットがオススメです。一目で稟議の内容や金額が分かるフォーマットとなっているため、オーソドックスな稟議書を作成したい方は利用してみてはいかがでしょうか?
まとめ
社内の意思決定をスムーズに進める上で、稟議書は不可欠な社内文書です。適切な書き方で稟議書を作成できるようになれば、従来以上にスムーズに承認を得られるようになるでしょう。
無料のフォーマットを利用すれば誰でも簡単に作成できるので、ぜひ一度稟議書の作成にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?