「KOFガチャ返金訴訟」が和解で決着!経緯を徹底解説

KOFガチャ返金訴訟問題

今回の記事では、スマホゲームKOFのガチャで不当な確率表示がされていたことについて、利用者が返金訴訟を起こした件について解説します。

本件事案の概要

本件は、スマホゲームアプリ「THE KING OF FIGHTERS (KOF)」のガチャにて、出現率3%と書かれたキャラクターが実際には約0.3%でしか当たらない仕様だった問題です。

ゲームの利用者が公式サイトに載っていた運営元「OURPALM株式会社」に返金を求めて訴訟を起こしたことで、本件問題は大きな話題となりました。

ユーザー側は不当表示に対する返金を目的として訴訟を起こしたものの、後々になってWebサイト内に表記してあった事業者と実際の運営元が異なることが発覚し、事態はさらに複雑となりました。

参考 :今回のKOF訴訟についてのご報告

 本件事案の争点 (ポイント)

本件の事案では、本来とは異なる出現率の表記が「景品表示法第5条第2号」に違反しているかが争点となりました。

景品表示法第5条第2号では、実際のサービス(商品)よりも、性能等が著しく優れていると消費者に誤認させるような表示を禁止しています。本件では、実際よりも確率を高く表示している(当たりやすいと表示している)ことが、有利誤認に該当するかが争われたのです。

参考:有利誤認 消費者庁

また、特定商品取引に関する法律の第11条では、通信販売の商品に関する広告を行う場合、事業者の名称や商品の価格等を正しく表示することが義務とされています。
本件事案では、本来の運営元とサイトに記載された会社名が異なっていたため、特定商取引に関する法律の第11条に反しているかも争点となりました。

参考:特定商取引に関する法律 e-Gov

本件事案の結末

結論から言うと、訴訟中に消費者庁が当該アプリについて景品表示法違反を認める通知を出したものの、利用者側が要求していた返金対応は行われず、和解という形で終結しました。

また、従来サイトに書かれていた「OURPALM株式会社」はゲームの運営には一切関係のない会社であり、実際には中国にある「Ourpalm Co., Ltd.」という企業が運営していたことも発覚しました。ただしこちらに関しても、特商法の違反に関するペナルティは課されませんでした。

つまり結果だけ見ると、「景表法」や「特商法」に反している事実は認められたものの、訴訟を起こしたユーザー側の要求(返金)は受け入れられなかった上に、訴えられた「OURPALM株式会社」側はペナルティを受けることなく済んだのです。

さらに和解の際に訴えた原告の男性は、返金対応を得られなかった上に、当該企業に対する謝罪記事をブログに公開することを求められ、これに応じる形となりました。

結果だけ見ると、本来ならば被害者である側が半ば負けた形で謝罪記事を掲載した形となり、スッキリしない方もいるでしょう。

本件事案がこのような結果に終わった要因

さて一見すると納得いかない本件ですが、なぜこのような結果に終わったのでしょうか?法的な観点から見て二つの理由が考えられます。

1.アプリの運営元と訴えられた企業が異なる

もっとも大きな理由は、アプリの運営元と訴えられた企業が異なることです。

消費者庁が認めているとおり、確かにアプリの確率については景表法に反しています。しかしこの問題の複雑な点は、アプリの運営元と記載されていた企業名が異なる点です。

原告側は記載されていた「OURPALM株式会社」を訴えましたが、アプリの運営に関わっていないため、そもそも同社が景表法に違反しているわけではないのです。つまり中国にある「Ourpalm Co., Ltd.」が景表法に違反しているのであって、日本にある「OURPALM株式会社」はまったく景表法に違反していないのです。

なお名前が似ているのは、「OURPALM株式会社」側が中国側のOurpalmに対して合弁の提案を行いやすくするために、あえて類似する名前をつけたとのことです。 そして訴えられた側は、中国側のOurpalmが、「OURPALM株式会社」の商号をサイト内に記載したことが原因であるとコメントしています。

2.和解しないと原告側が訴えられるリスクがあった

原告のユーザーは、予想に反して名前が似ているだけでまったく無実の企業を訴えてしまうこととなりました。その結果、「OURPALM株式会社」や同社代表が属するCTW株式会社に迷惑をかけることとなり、逆に損害賠償を求められる可能性がありました。

そのため、原告側は損害賠償の請求を回避する目的で、返金対応を諦めるという条件をのんで和解に至りました。

参考:業界が注目した「KOFガチャ返金訴訟」が和解で決着 原告への返金は認められず疑問残る結果に

「KOFガチャ返金訴訟」のまとめ

業界内やユーザーの間で話題となった「KOFガチャ返金訴訟」ですが、結果的には原告側への返金は行われませんでした。その背景には、根本的にWebサイト内に書かれた運営企業と実際の企業が異なるという厄介な事実が潜んでいました。

同様の事態に陥った場合、ユーザー側はしっかりと運営企業を特定してから訴訟する必要があると言えます。

ただし今回は運営元が異なるために問題にはなりませんでしたが、消費者庁が公表しているとおり、消費者を惑わすために本来とは異なるデータを公表するのは景表法違反となります。ゲームアプリ等を提供する企業は、景表法の規制にも十分注意しなくてはいけません。

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