【違法?】霊感商法で買ってしまったものは取り消せる?

コロナ禍の現在、人々が巣ごもり状態となったことで人とのつながりが激減し、寂しさや孤独感を感じている方、「コロナに感染するかもしれない」「仕事がなく、これから先の人生どうしよう」といった不安感がある方も多いのではないでしょうか。

そんな時に注意が必要なのが〝霊感商法″です。

平成30年の消費者契約法改正により「霊感」という文言が規定され、法律用語となってから数年が経過しました。

しかし現在、コロナ禍に乗じて、霊感商法の被害者が再び増加傾向にあるようです。

そこで今回は、霊感商法にダマされてしまった時の対処法やそもそもダマされないためのポイントについて解説していきます。

霊感商法とは

霊感商法について、消費者契約法4条3項6号には「消費者に対し、霊感その他の合理的に実証することが困難な特別な能力による知見として、そのままでは当該消費者に重大な不利益を与える事態が生ずる旨を示してその不安をあおり、当該消費者契約を締結することにより確実にその重大な不利益を回避することができる旨を告げること。」と規定されています。

ここで「霊感」とは、除霊、災いの除去や運勢の改善など、超自然的な現象を実現する能力を指し、「その他の合理的に実証することが困難な特別な能力」としては、いわゆる超能力が当たります。
出典:消費者庁ホームページ(consumer_contract_amend_190322_0019.pdf (caa.go.jp))

簡単に言えば霊感商法とは、「単なるつぼや印鑑・置き物などに、あたかも超自然的な霊力があるように、言葉たくみに思わせて、不当に高い値段で売り込む商法」のこというのです。
出典:警視庁ホームページ(https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/about/kenri_link.html)

具体例

・水子の霊を供養しなければならないなどといって消費者の心理を突き、加持祈祷の費用などをだまし取った。

・自分の家系や配偶者の家系を救うことがあなたの使命であり、献金することによってあなたも家族も家系も救われるなどと言って自分や家族の金を拠出するように指示し、家族の財産を家族に内緒で、献金という名目で交付させた。

・コロナ禍の健康不安に付け込んで、このお札を買わなければあなたもコロナに感染しますよと言ってお札を購入させた。

その他にも実際に起きた詳しい事例に関しては、こちらのサイト(https://wakailaw.com/sagi/572)をご覧ください。

ダマされて買ってしまった場合は・・・

では霊感商法にダマされて、商品を購入してしまった場合はどうすればいいのでしょうか。

代金を返還してもらうための方法

以下では、騙されて購入してしまった商品の代金を返金してもらうための方法を紹介します。

クーリングオフ

霊感商法によって契約を締結してしまった後でも、その契約を解約することができる制度をクーリング・オフといいます。

ただし、クーリング・オフには期間制限があり、契約書面を受け取った日から8日以内に手続きをする必要があるので注意が必要です。

ダマされた!と思ったら、必ず期間内に手続きするようにしましょう。
また、期間内であっても、クーリング・オフができない場合もあります。

クーリング・オフが可能か否かを知りたい方や、詳しい手続きの方法が知りたい方は警視庁のHP(https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/higai/shoho/anote4.html)を確認し、最寄りの警察署 生活安全相談係まで相談してみることをおすすめします。 

消費者契約法に基づく取消し(4条3項6号)

平成30年に改正された消費者契約法4条3項柱書には

「消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次に掲げる行為をしたことにより困惑し、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。」

と規定されており、同6号で

「当該消費者に対し、霊感その他の合理的に実証することが困難な特別な能力による知見として、そのままでは当該消費者に重大な不利益を与える事態が生ずる旨を示してその不安をあおり、当該消費者契約を締結することにより確実にその重大な不利益を回避することができる旨を告げること。」

と規定されています。

これにより、霊感などの実証困難な能力を使って、消費者の不安をあおり、その不安を解消・回避できる旨伝えて契約を締結した場合には、消費者契約法4条3項6号によりその契約を取り消すことができるようになりました。

ダマされた!と思ったらまず相談を・・・

前述したような方法によって返金を求めることができると分かっても、なかなか自分一人ではどうすればいいのかわからないもの。

そんな時は、一人で悩まずに、まず、以下の機関に相談してみましょう。

消費者ホットラインは、「誰もがアクセスしやすい相談窓口」として開設されたものです。

消費者ホットライン『局番なしの188』にかければ、お近くの消費生活相談窓口を案内してくれます。

  • 警察署または弁護士

霊感商法は、事例によっては詐欺罪や恐喝罪にも該当することがあります。霊感商法の手口が悪質だった場合には、警察や弁護士に相談してみるのも、有効な手段の一つです。

霊感商法にダマされないためのポイント

霊感商法がはびこる根本的な理由は、人々が持つ孤独感や不安感にあります。

そのような「人々が感じている孤独感や不安感」をあおり、親切に接したり悩みを解決してあげたりするように装って、高額な金額を支払わせることが霊感商法の手口です。

そして、霊感商法を得意とする人々は人間観察に長けており、あなたに刺さる言葉を割り出そうと常に目を光らせています。

あなたがしっかり気を付けているつもりで、自分は大丈夫だと思っていても、あらゆる手を使って消費者からお金をむしり取ろうとしてきます。

もし、不当に高額な商品を勧められた場合には、その場で決断せず、必ず一度持ち帰って慎重に検討するようにしましょう。

少しでも不安を感じる場合には、家族や友人など客観的に判断してくれる人に相談してみるのがおすすめです。

まとめ

コロナ禍で人々が感じる孤独感や不安感を利用して、言葉巧みに消費者からお金をむしり取ろうとする霊感商法。

ダマされないためにも、少しでも不安を感じたら、一人で抱え込まず、まずは周囲の人に相談してみましょう。

また、商品購入後に「ダマされた!」と感じた場合にも、代金を返金してもらう方法は複数存在します。

泣き寝入りする前に、上記でご紹介した相談機関に相談してみてはいかがでしょうか。

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