コンプガチャは景品表示法違反?!その理由を解説

景品表示法

スマホなどで手軽に遊べるオンラインゲーム。
その普及に合わせ、かつて社会問題となったのが「コンプガチャ(コンプリートガチャ)です。今回の記事ではコンプガチャが問題となった理由や「景品表示法」との関係について解説します。

コンプガチャ(コンプリートガチャ)とは?

コンプガチャとは「指定された複数のアイテムが揃うと、レアアイテムが手に入る」という、オンラインゲーム(ソーシャルゲーム)の課金システムです。

有料アイテムがランダムに出現する仕組みが「ガチャガチャ(カプセルトイ)」と同じで、アイテムを「コンプリートする(すべて揃える)」必要があることから、これらの語を合わせてコンプガチャと呼ばれています。

コンプガチャが問題になるワケ

ランダムにアイテムが出現するコンプガチャでは、ユーザーは欲しいアイテムが出るまで「ガチャを回し続ける(課金を続ける)」ことになります。

コンプガチャの支払いにはゲーム内の仮想通貨が使われますが、仮想通貨の購入に使われるのはクレジットカードです。月に数十万円の高額課金をしてしまうユーザーも多く、特に未成年者が親のカードを使い込むケースが多発したため社会問題となりました。

実はコンプガチャの手法は、「景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)」で規制される、いわゆる「カード合わせ」と似ています。

カード合わせというのは、たとえば「お菓子の袋に入っているプロ野球選手などのカードを集めると、別の景品と交換できる」というものです。判断能力の低い子供を対象としていることや、一部のカードの枚数を制限してカードを集めにくくする手法などが悪質とされ、規制の根拠となりました。

それぞれの特徴を比べてみると、コンプガチャの特徴もカード合わせと「ほぼ同じ」と見ることができるでしょう。この点も、コンプガチャが国から問題視された理由のひとつです。

「景品表示法」の適用範囲

景品表示法を管轄する消費者庁は、2012年6月に「『懸賞による景品類の提供に関する事項の制限』の運用基準」を公表し、7月より施行しました。この中では以下に該当するものが「カード合わせの方法に当たる」とされています。

「携帯電話端末やパソコン端末などを通じてインターネット上で提供されるゲームの中で、ゲームの利用者に対し、ゲーム上で使用することができるアイテム等を、偶然性を利用して提供するアイテム等の種類が決まる方法によって有料で提供する場合であって、特定の二以上の異なる種類のアイテム等を揃えた利用者に対し、例えばゲーム上で敵と戦うキャラクターや、プレーヤーの分身となるキャラクター(いわゆる「アバター」と呼ばれるもの)が仮想空間上で住む部屋を飾るためのアイテムなど、ゲーム上で使用することができるアイテム等その他の経済上の利益を提供するとき。」

これらの要件はいわば「デジタル版のカード合わせ」ともいえ、先ほど説明したコンプガチャの特徴とおおむね一致します。

ただし「コンプガチャ」あるいは「コンプリートガチャ」という名称は要件に入らないため、どのような呼び方にせよ、上記のようなシステムはすべて景品表示法で規制されることになりました。

消費者には冷静な判断が必要!

コンプガチャは法律で規制されましたが、コンプガチャに該当しない課金システムは他にも存在します。たとえば有料ガチャで特定のレアアイテムを購入するだけなら「『特定の二以上の異なる種類のアイテム等を揃え』て別のアイテムと交換する」という要件に当てはまりません(このようなシステムは現在のオンラインゲームの定番となっています)。

残念ながら、オンラインゲームで散財する危険は依然として高いのが現状です。特に未成年者やその保護者は、オンラインゲームの利用にあたり冷静な判断をする必要があるでしょう。

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