注文書とは、商品を注文する際に相手方に提出する文書です。注文書を作成した上で取引を行えば、口頭のみによる取引で生じるトラブルを回避できます。

今回の記事では、そんな注文書の書き方とテンプレートを詳しくご紹介します。

注文書の書き方

はじめに、注文書の基本的な書き方(記載内容や収入印紙の必要性など)をご説明します。

注文書にかならず記載すべき項目

注文書には、最低でも下記の項目は記載すべきです。

• 発注者と宛先の情報(氏名や所在地、電話番号)
• 取引年月日(発注書の発行日)
• 注文の具体的な内容(商品名、数量、単価、商品ごとの合計金額)
• 取引金額(各商品の税込み合計金額)
• 希望納期
• 納入方法(納入場所)
• 支払い条件(いつ、どのように代金を支払うかを記載)

特に重要となるのが、「注文の具体的な内容」と「取引金額」、「納期」です。具体的な数字を記載しないと、注文者と受注者の間で認識に違いが生じ、後からトラブルに発展する可能性があります。

注文書をめぐってトラブルが生じると、仕入れやその後の商品販売などの後工程に遅れが生じる可能性が出てきます。そうならないためにも、かならず双方で認識をすり合わせた上で、明確な内容を記載するようにしましょう。

なお、上記以外に必要な項目があれば、備考欄に記載するのが一般的です。

注文書に収入印紙は必要か？

収入印紙とは、課税される文書に添付する証票のことです。この収入印紙を添付することで、文書に課税された税金を支払ったことになります。

注文書自体はあくまで注文する意思を伝えるに過ぎない文書であるため、収入印紙の貼り付けは原則不要です。ただし、発注書のみのやりとりで正式に合意したとみなされるケースでは、収入印紙の添付が必要となります。

最終的な判断は専門家以外でないと困難ですが、受注側が「注文請書」と呼ばれる書面を交付してこないケースは収入印紙が必要となる可能性が高いです。ご自身で判断するのは危険ですので、かならず管轄の税務署にお問い合わせしましょう。 ※管轄の税務署については、下記のリンク先(国税庁HP)から検索可能です。

参考：税務署の所在地などを知りたい方 国税庁

注文書の送付方法

注文書の送付方法には、厳格な決まりはありません。現物を送付するのはもちろん、FAXや電子メールでも問題ありません。なお国税庁によると、電子メールでPDF化した注文書を送付する場合は課税文書を作成したわけではないため、収入印紙は不要とのことです。

印紙税が不要となる上に手軽ではあるものの、相手方の意向で電子メールでの送信ができないケースもあるでしょう。直接郵送により相手方に送付する場合には、封筒に注文書を入れて送る必要があります。

注文書を入れた封筒には、表面に「相手方の情報(所在地や社名)」と「注文書在中」という文言を記載するのが一般的です。裏面には、中央より左側に自社の情報や年月日を記載すると良いでしょう。

注文書のテンプレート

注文書を作成するに際しては、最低限記載すべき項目がすでに盛り込まれたテンプレートを活用するのがオススメです。

この章では、基本的な注文書のテンプレートと、インターネット上で無料ダウンロードできるオススメの注文書テンプレートをご紹介します。

注文書の基本的なテンプレート

最低限必要な項目を入れた注文書のテンプレートを下記に示します。

文章での説明のみだと難しく感じる方もいたと思いますが、実際にテンプレートを見ると簡単に作成できることが分かると思います。ほとんどの取引では、このテンプレートを多少アレンジするだけで実用的な注文書を作成できるでしょう。

無料で利用できる注文書のテンプレート

より簡単に注文書を作成したい場合は、インターネット上から無料で利用可能な注文書をダウンロードするのがオススメです。

数ある無料テンプレートの中でも、特にオススメなのはクラウド見積・納品・請求書サービスの「Misoca」さんの公式サイトで公開されているものです。こちらのテンプレートには、最低限必要な項目がすべて盛り込まれているため、ダウンロードして項目を埋めるだけで簡単に注文書を作れます。 Excelを使える方であれば簡単に利用できるので、ぜひ検討してみてください。

参考：注文書テンプレート シンプル Misoca

注文書の書き方とテンプレート：まとめ

注文書は、スムーズに商品の発注を行う上で不可欠の文書です。一見すると作成が難しそうですが、書き方のポイントと最低限記載すべき内容を押さえておけば、誰でも簡単に作れます。

今後商品の仕入れなどで注文書の作成が必要となった際には、ぜひ今回ご紹介した注文書の書き方を参考にしていただければ幸いです。