【社会人必見】5分で分かる「公益通報(内部通報)制度」簡単解説

公益通報制度とは

公益通報制度は、法律で公益通報を行った人への不当な解雇や取り扱いを禁止することで、公益通報者の保護を図っています(公益通報者保護法第1条 参照)。簡単に言えば、公益通報制度は法律上で「公益通報した人の権利利益を守りますよ。」と規定されています。

例えば、Aさんは自身が勤務している企業の不正行為を通報したとします。企業が通報したのはAさんであると特定し、これを理由としてAさんに対して解雇や不利益な扱いをしようとしたとき、企業という大きな存在を前に、一人のただの従業員であるAさんは成す術がありません。そこで、ちゃんと公益通報をすることができる環境を構築し、このAさんを保護しよう、というのが公益通報制度です。

公益通報制度の機能

具体的に公益通報者をどのように保護するかについては、公益通報者保護法第3条、第4条、第5条で定められています。簡潔にまとめると、「公益通報を理由に行った公益通報者の解雇は無効ですよ、減給など公益通報者に不利益な取り扱いもダメですよ。」と規定されています。

一見、公益通報者と企業の対立図式があり公益通報制度は公益通報者を攻撃から守るものだ、と感じられるかもしれません。しかし、公益通報制度には企業にとってもメリットがあります。

例えば、社内で不正が起こった場合に、速やかに対応することができます。公益通報制度が無く不正行為等の発見が遅れた場合、被害や損害額が大きくなってしまうおそれがあります。このようなケースで公益通報制度が導入されているのであれば、被害や損害額が小さいうちに事態を把握し対応することができます。

おさえておくべきポイントは?

公益通報制度で押さえておくべきポイントは「自浄作用」という点です。つまり、公益通報者を保護することによって従業員等から公益通報しやすくすることで、企業の不祥事や他の従業員の不正行為等の早期発見に役立ち、また、内部告発(組織内部の人間が外部機関に組織内の不正行為等を通報すること。) を未然に防ぐ手段にもなります。

このように、公益通報者が保護されることによって自浄作用が働き、、企業も守ることに繋がります。公益通報者と企業の双方にとってメリットがあるという点も大きなポイントと言えます。

まとめ

この度、公益通報者保護法が改正されます(令和4年6月1日 施行予定)。これにより、従業員が 300 人を超える事業者は公益通報制度が義務化されます(常時使用する労働者の数が300人以下の事業者については努力義務)。

公益通報制度は、ますます従業員にとっても企業にとっても他人ごとではない制度になりつつあります。今回の改正を契機として、公益通報制度について詳しく調べてみるのもいいかもしれません。

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