すぐわかる事業目的の書き方の例。定款の追加や変更方法は?

事業目的の書き方

定款の中で「事業目的」の書き方に迷う人が多いようです。法務局に登記する定款は、会社の原則を記録しているものですが、事業目的の内容に関しては自由性が高いため、どう書いて良いのか分かりにくいのです。この記事では、事業目的の書き方の例や、追加や変更方法について解説いたします。

定款の事業目的のキホン

定款は会社設立時のルールを明文化したものです。そのため、会社設立者がきっちりと関わる必要があるほか、追加や変更もしっかり行う必要があります。そんな定款の中には、「事業目的」がありますが、自由性の高さから迷ってしまうケースが多いようです。
まずは、事業目的が必要な理由や、事業目的が定款のどの分類に含まれるのか、全体像を含めたキホンを見て行きましょう。

事業目的が必要な理由

定款に事業目的が必要な理由は、ひと言でいうと法律で決まっているからです。後述する「絶対的記載事項」ですので、必ず記載しなければなりません。
逆に、事業目的にない事業はできないので、事業目的を書く際には気を付けなければなりません。とはいえ、書くべき内容は決まっていますので、規則のとおり書けば良いのです。

定款には3つ分類される

先ほど事業目的は「絶対的記載事項」と紹介しましたが、定款は「絶対的記載事項」「相対的記載事項」「任意的記載事項」の3つに分類されています。

「絶対的記載事項」は、必ず書かなければ定款が無効になる必須事項です。相対的記載事項は、書かなくても定款自体は有効ですが、書かれていないと規則として効力が発生しない事項です。
「任意的記載事項」は、自主的に定款に追加する事項です。事業目的は絶対的記載事項ですので、記載がなければ定款自体が無効となってしまうのです。

事業目的の書き方の例

事業目的の追加や変更方法

事業目的の書き方として、いくつか例をピックアップいたします。

《インターネット関連の場合》
・インターネットに関する総合コンサルティング業務
・ウェブサイトの企画、設計、開発、運営及び販売

《美容室の場合》
・理美容院の経営
・ビューティサロン、エステティックサロンの経営

《金融業の場合》
・金銭の貸付、債務の保証及び引き受け、各種債権の売買並びにその他の金融業

このように、業界や業種ごとに内容は異なります。では、自社の場合として具体化して落とし込むには、どうすれば良いのでしょうか?事業目的の書き方のコツを紹介します。

同業他社をモデルにする

手っ取り早い方法は、同業他社の定款を確認することです。法務局に依頼すれば確認が可能です。登記事項要約書の場合は450円、登記簿謄本の場合は600円で確認可能となっています。

また、該当企業のホームページに書かれていることも多いです。会社概要のページに書かれていることが一般的ですので確認してみましょう。

定款を見た人が分かるように書く

定款を見た人が分かるように書くこともポイントです。事業内容が数多くある場合、ジャンルがバラバラだと何の会社か想像が付きにくくなります。
そのため、目的は思いつく限り無限にかけば、再申請がなくて便利なのではないかと思う人も多いのですが、数が多い場合にはメイン事業を軸に書くことをおすすめします。数としては、およそ10個前後に留めると良いでしょう。

許認可の要件に留意する

事業運営に許可が必要な場合には、気を付けなければなりません。許認可が得られていなければ事業を開始することができないケースもあります。事業目的を書く前に、許認可が必要な事業かどうか、あらかじめ調べておきましょう。

将来予定している事業も書く

将来予定している事業も書いておきましょう。先述のとおり、事業目的に書かれていない事業はできませんので、あらかじめ書いておかないと、わざわざ定款変更しなければならなくなります。
とはいえ、別ジャンルの事業を数多く各ことは不適切ですので、このような場合「前号に付随又は関係する一切の業務」と書くことが一般的です。

事業目的の追加や変更方法

定款の事業目的にない事業を行う際には、事業目的の追加(変更)が必要となります。ここでは、事業目的の追加(変更)に関する手順を紹介します。

株主総会で決議

まずは新たな事業目的を決定します。事業目的の追加(変更)の際には、株主総会での特別決議が必要となります。 発行済議決権株式の3分の2以上が賛成すれば成立となりますので知っておきましょう。会社設立時に必要だった公証人の証人は不要です。

議事録の作成

株主総会内容の議事録を作成しましょう。株主総会の議事録は法務局に提出しなければなりませんので、必ず議事録を取っておく必要があります。

本店所在地で申請

あとは、法務局で届け出をするだけです。本店所在地の場合は株主総会議決から2週間以内、支店所在地の場合は株主総会議決から3週間以内に行う必要があります。

必要な費用

申請費用について、株式会社設立の場合はおよそ25万円、合同会社の場合はおよそ10万円かかります(司法書士・行政書士に依頼する場合は別途報酬必要)。

目的の1回の登記変更申請は3万円です。1つでも2つでも変更費用は同じで、1回あたり3万円となります。

まとめ

定款の事業目的は、絶対的記載事項ですので、必ず記載しなければなりません。具体的に事業目的を書く際には、同業他社をモデルにしたり、定款を見た人が分かるように書いたり、許認可の要件に留意すること、将来予定している事業も書くことなどが大切です。
事業目的の変更をする場合には、株主総会で決議したあと、法務局に申請しましょう。迷う人も多いですが、一つずつ進めれば難しくないはずです。

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