マイナンバーカードで電子委任状の登録・入札が可能に

電子委任状

8月下旬より、マイナンバーカードを電子委任状として使用できるサービスが開始されます。このサービスは、省庁による政府電子調達で活用される予定です。今回の記事では、電子委任状や政府電子調達の意味を簡単に説明し、マイナンバーカードを使用できるようになることで、どのような影響が生じるかを解説します。

電子委任状とはなにか?

電子委任状とは、法人の代表者が使用人などに対して代理権を与えたことを証明する電磁的記録を意味します。具体例としては、社長が他の役員や従業員に対して、確定申告書などの書面などを申請する際に、電子署名等を自身の代わりに行う(送信する)ことを委任するタイミングで用いられます。

本来、書面等の申請時には、法人の代表者が自ら電子署名を行う必要があります。ですが、電子委任状を活用すれば、他の役職員が電子署名を行えるため、手続きを効率的に行えるようになります。

参考:電子委任状とは何ですか。 イータックス

政府電子調達(GEPS)とはなにか?

政府電子調達(GEPS)とは、政府が行う「物品・役務」および「一部の公共事業」に関す調達手続きについて、インターネット経由で電子的に行うシステムです。簡単に言うと、インターネット上で調達を行うシステムを指します。

従来は、契約や検査、請求などの手続きは直接行う必要がありました。しかし政府電子調達ができたことで、調達にかかる労力やコストを削減できるようになりました。

なお政府電子調達のシステムには、電子認証技術や暗号化技術が用いられています。そのため、インターネット上であっても安全に調達の手続きを行えるようになっています。契約書などの書類は、電子署名とタイムスタンプを組み合わせて保管されているため、10年以上にわたって真正性が保証されます。また、必要な時に、手軽に書類を参照できる点も利点です。

参考:電子調達システムのご紹介 政府電子調達(GEPS)

マイナカードで電子委任状ができるとどうなるのか?

2021年8月下旬より、株式会社サイバーリンクスが提供する「マイナトラスト電子委任状」というサービスが利用できるようになります。こちらのサービスは、マイナンバーカードで電子委任状を使用できるものです。

マイナンバーカードで電子委任状を使えるようになると、以下2つのメリットがもたらされると言われています。

マイナンバーカードを用いた代理人登録が可能となる

同サービスでは、マイナンバーカードの電子証明書を電子委任状に関連付けすることで、法人代表者から委任された受任者(従業員など)の権限を確実に証明します。そのため、受任者は自らのマイナンバーカードを使用して、調達ポータルなどのシステムで簡単に代理人登録を行えるようになります。

従業員が自らのマイナンバーカードを用いて、法人の代表者に代わって入札などの委託された業務を行えるようになる

マイナンバーカードを電子委任状として使えるようになることで、従業員自らが自身のマイナンバーカードを用いて、代表者の代わりに入札などの委託業務を遂行できるようになります。

従来の電子委任状と比較して、より効率的に業務を回せるようになるでしょう。また、代表者・役職員それぞれの負担軽減にもつながります。

なお同サービスによる電子委任状は、期限内であれば何回でも使用できるため、入札などの業務を行うたびに委任状を作成する必要はないとのことです。

マイナンバーカードによる電子委任状の将来性

電子委任状は、将来的に以下の手続きで活用されることが期待されています。

  • 企業間による電子契約や申し込みなどの手続き
  • 行政機関に対する電子申請などの手続き

特にマイナンバーカードを利用した電子入札は、国が導入している「マイナンバーカードの普及等に向けた情報システムに係る調達等における評価制度」の対象となることから、入札時における評価項目で加点されます。そのため、サービスの利用拡大が期待できます。

加えて、2020年は新型コロナウイルスの流行で、押印などの手続きで出社することが問題視されたため、その解決策としてもマイナカードによる電子委任状は注目されています。

以上の理由から、マイナンバーカードによる電子委任状は、今後急速に普及する可能性があると言えるでしょう。

参考:当社の「マイナトラスト電子委任状」 調達ポータルと政府電子調達に採用 ~マイナンバーカードで電子委任状の登録、入札が可能に~ サイバーリンクス

まとめ

マイナンバーカードを用いて電子委任状の登録や入札を行えるようになることで、従業員・経営者双方の負担が軽減されます。また、より迅速かつ手軽に電子取引を行いやすくなります。

政府が優遇策を準備していることや、新型コロナウイルスの流行の影響で、マイナンバーカードを用いた電子取引の将来性は高まっています。この機会に、ぜひマイナカードによる電子取引にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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