休職命令を拒否する労働者への対策法5選

休職命令

労働者が心身に病気やケガを負っている場合、満足に働けないケースがあります。会社側が休職命令を出したとしても、そのまま働こうとする労働者もいます。そこでこの記事では、休職命令を拒否する労働者への対策法を具体的に紹介します。

労働者が休職命令を拒否する理由

そもそも、労働者はなぜ休職命令を拒否するのでしょうか?カンタンに言うと「過信」や「不安」が原因です。では、休職命令拒否の理由を1つずつ見て行きましょう。

状況を深刻に捉えていない

労働者は自分の心身の不調を、深刻に見ていないケースがあります。心身の不調に対して甘く見ていたり、ちゃんと仕事ができていると過信しているのです。経営者や同僚の心配をよそに、本人に問題意識がなく、休職命令を寝耳に水と捉えることも珍しくありません。

解雇されそう

企業側が一方的に従業員を解雇すると、不当解雇となり、ペナルティーの対象となります。しかし、解雇の理由が客観的に合理性を持ち、社会的にも妥当である場合には、解雇が可能となります。ただし、従業員への配慮によって解雇を猶予することが休職命令の意義です。言い換えると、命令を出された従業員側としては、いずれ解雇されるのではないかという不安にさらされることとなります。解雇が現実的となることを恐れ、休職命令を拒否するのです。

キャリアにキズが付きそう

キャリアにキズが付くという不安もあります。休職するということは、長期間仕事から離れることになりますので、同期や後輩に遅れを取る可能性があります。戻って来た時に同期や後輩が上位の役職についていたり、業務の経験値に差を付けられかねません。また、休んでいる間に市場が変わり、復職時にイチから仕事を覚えなければならないことも考えられます。これらの不安も休職命令拒否の一因なのです。

休職命令を拒否する労働者への対策法5選

休職命令は従業員にとってデリケートな問題ですので、慎重に対応しなければなりません。では、休職命令拒否をする労働者に対しては、どのような対策が必要なのでしょうか?具体的に5つの対策を紹介します。

1.就業規則に盛り込む

休職命令については、就業規則に盛り込んでおきましょう。最初から就業規則に買いてあれば、従業員に対して客観的な説明ができます。また、具体的にルール化をしておくことによって、従業員の納得度も高くなります。就業規則が抽象的であったり、盛り込まれていない場合、双方の協議となりますので、従業員側が主張しやすくなるでしょう。休職命令を出す会社側の権利と、従うべき従業員の義務を記載しておきましょう。

2.原因を特定する

従業員に身体の不調がある場合には、仕事が満足にできない原因を特定しやすいでしょう。しかし、心の不調である場合には、原因がスルーされることもあります。遅刻や欠勤、勤務時間中の休憩増加、ミスの多発、人間関係のトラブルなど、心の不調が原因であるケースもあるのです。従業員に異変がある場合には、原因の特定が重要です。従業員とのコミュニケーションや、医療機関の受診をすすめるなどの対策が必要です。医師の受診命令のルールも、就業規則に盛り込んでおきましょう。

3.適材適所を意識する

就業規則に休職命令のルールを盛り込んでいたとしても、安易に命令するのは控えましょう。企業によっては該当従業員が所属するセクションを前提に、休職命令を下すケースもあります。しかし、ほかの部署や役割であれば職務を全うできる場合もあります。適材適所を意識し、配置転換や業務内容の変更も含めた対処が必要です。

4.医師も含めて話し合う

休職命令を出すには、先述したとおり原因の特定が必要となるわけですが、会社側も従業員側も医療の専門家ではありません。真の原因を特定するためには、医師も含めて話し合う必要があります。会社が設置している医師や、従業員のかかりつけ医師などの見解も含めて、休職命令の是非を検討しましょう。

5.労働者にしっかり説明する

厳正なルールと原因特定を前提に、従業員とのコミュニケーションが大切です。会社側ができる限りの対応をしていること、休職の必要性を客観的に伝えましょう。説明を真摯的に行えば、従業員も納得しやすくなるでしょう。説明を疎かにしてしまうと、今後の関係にしこりが残ってしまいます。雇用関係は人と人とが主体ですので、従業員への説明が最も重要となります。

休職命令を拒否する労働者への対策:まとめ

休職命令は、従業員の過信や不安によって拒否される場合があります。従業員にとって休職命令はデリケートな問題ですので、慎重に扱わなければなりません。ルール化や原因特定、適材適所の配置、医師との協議、労働者への真摯な説明など、対策を尽くす必要があります。生身の人間同士であることに配慮した対策をとりましょう。

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