下請法とは?対象や禁止行為、罰則をわかりやすく解説

下請法とは

下請法とは、下請け業者が「支払の遅延」や「代金の引き下げ」といった不利益を被ることを防ぐために作られた法律です。この記事では、下請法の対象や禁止行為、罰則などをわかりやすく解説します。

下請法における親事業者および下請事業者の定義

はじめに、下請法第2条における親事業者と下請事業者の定義を紹介します。

物品の製造・修理委託、プログラム作成や運送、物品の倉庫保管・情報処理

上記の業種に該当する場合、親事業者および下請事業者の基準は以下のとおりです。

親事業者 下請事業者
資本金3億円超 資本金3億円以下(個人を含む)
資本金1,000万円超3億円以下 資本金1,000万円以下(個人を含む)

たとえば親事業者の資本金が4億円で下請事業者の資本金が1億円であれば、上記の定義に当てはまるため下請法の適用対象となります。

情報成果物作成委託、役務提供委託

上記の業種に該当する場合、親事業者および下請事業者の基準は以下のとおりです。

親事業者 下請事業者
資本金5,000万円超 資本金5,000万円以下(個人を含む)
資本金1,000万円超5,000万円以下 資本金1,000万円以下(個人を含む)

下請法の対象となる取引

下請法の対象となる取引は、「製造委託」、「修理委託」、「情報成果物作成委託」、「役務提供委託」の4種類です。

製造委託

製造委託とは、物品の販売や製造を行う事業者が、品質や規格、デザインなどを指定して、他の事業者に物品の製造や加工などを依頼することです。たとえば、自動車メーカーが部品メーカーに自動車部品の製造を依頼するケースが該当します。

修理委託

修理委託とは、物品の修理を請け負う事業者がその修理を他の事業者に依頼したり、自社で使用している物品の修理の一部を他社に依頼したりすることです。たとえば自動車ディーラーが請け負った自動車の修理作業を修理会社に依頼するケースが当てはまります。

情報成果物作成委託

情報成果物作成委託とは、映像コンテンツやソフトウェア、デザインなど、情報成果物の提供や作成を営む事業者が、他の事業者にその作業を依頼することです。具体的には、アパレルメーカーが衣服のデザイン作成をデザイン会社に依頼するケースが当てはまります。

役務提供委託

役務提供委託とは、運送などの各種サービスの提供を運営する事業者が、請け負った役務を他の事業者に依頼することです。たとえばビルメンテナンス会社が、ビル清掃の部分のみを外部の会社に依頼するケースが該当します。

下請法における親会社の遵守義務

下請法において、親会社は下記4つの義務を守る必要があります。

発注書面の交付

口頭による発注でトラブルが生じることを防ぐ目的で、親事業者はすべての発注内容を具体的に記載した書面を交付する義務が課されています。具体的には、「親事業者と下請事業者の氏名」や「下請代金の支払期日」、「下請代金の金額」などを記載する必要があります。

支払期日の設定

支払い期日の遅延や変更が行われると、下請事業者の経営が不安定となり得ます。それを防ぐ目的で、親事業者は下請事業者と事前に合意した上で支払期日を設定する必要があります。

取引記録の書類の作成・保存

親事業者の違反行為を防ぐなどの目的で、親事業者は下請代金の金額などの取引に関する記録を書類として作成し、2年間保存する必要があります。

遅延利息の支払い

事前に定めた支払期日までに代金を払わなかった場合、親事業者は下請事業者に対して遅延利息を支払わなくてはいけません。具体的には、受領日から60日を経過した期日から実際に代金の支払が行われる期日までの期間において、未払金額に年率14.6%を乗じた金額が遅延利息となります。

下請法における親会社の禁止行為

下請法では、親会社が以下の行為を行うことを禁止しています。下請取引を行う際は、下記の行為に該当しないように注意が必要です。

  • 発注した物品等の受領拒否、発注の取消し
  • 下請代金の減額
  • 下請代金の支払い遅延
  • 下請事業者に責任がない状況での返品
  • 買い叩き(通常よりも著しく低い下請代金の設定)
  • 報復措置(違反行為の通知に対する取引停止などの仕返し行為)
  • 物の購入や役務の利用強制
  • 有償支給原材料等の対価の早期決済
  • 割引困難な手形の交付
  • 不当な給付内容の変更、やり直し(発注内容の変更に際して、作業費用を負担しないことなど)
  • 不当な経済上の利益の提供要請(下請事業者に金銭やサービスなどを不当に提供させること)

下請法に違反した場合の罰則

たとえば「書面の交付義務違反」などの違反行為を行った場合、違反した個人と親事業者である会社の双方が罰則を受けます。具体的には、最高で50万円の罰金が科されます。

また、公正取引委員会や中小企業庁では、下請取引が公正に行われているかどうかを確認する目的で、親事業者および下請事業者に対して書面調査や立入検査を実施しています。

下請法とは?:まとめ

下請法に違反すると、罰則が科されるだけでなく、社会的な評判を落とすことにもつながります。事前に違反行為を把握し、公正な下請取引を行うように注意しましょう。

参考:下請代金支払遅延等防止法ガイドブック 公正取引委員会

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