絶対におさえておきたい会社の設立の際に必要な法人登記を一挙公開
- 2021/8/18
- 法令コラム
会社設立に際して、かならず行うべき手続きの1つが「法人登記」です。この記事では、そんな法人登記で重要なポイント(手順と必要書類)について一挙公開します。
会社設立時に必須となる法人登記とは
法人登記とは、設立する会社の基本事項(社名や所在地、事業目的など)を法務局で登録する手続きです。法人登記した内容は、誰でも閲覧できるようになります。この仕組みにより、取引の透明性や会社の信用力が担保されるわけです。
法人登記の手順
法人登記は、以下5つの手順を経て行います。
手順1:会社設立の事前準備
法人登記の手続きを行う前に、あらかじめ会社設立に必要な準備を済ませておきましょう。具体的に行うべき手続きは主に以下のとおりです。
- 会社形態の決定
- 会社の設立方法の決定
- 商号や所在地、発起人の決定
- 印鑑の作成
- 印鑑証明書の取得
手順2:定款の作成・認証
事前の準備を一通り終えたら、次に会社の根本的なルールを定めた「定款」の作成を行います。
定款を作成する際には、最低でも下記5項目(絶対的記載項目)をかならず盛り込まなくてはいけません。盛り込まないと、定款全体が無効となるので注意です。
- 目的
- 商号
- 本店所在地
- 設立時に出資される財産の価額またはその最低額
- 発起人の氏名・名称、住所
また、必要に応じて「相対的記載事項」や「任意的記載事項」も盛り込むことができます。
株式会社の場合、作成した定款は公証人役場にて認証を受ける必要があります。定款の認証にあたっては、定款や発起人全員の印鑑証明書、実印、認証費用などを要します。
手順3:資本金の払い込み
定款の認証が完了したら、資本金を発起人名義の銀行口座に振り込みます。振り込んだ際には、その旨を証明できるように以下の項目をコピーし、払込証明書を作成します。
- 出資金の入金が記載されたページ
- 表紙
- 表紙の次の裏表紙(氏名や住所などが記載されているページ)
手順4:法人登記に必要な書類を揃える
資本金の払い込みまで終えると、いよいよ法人登記のプロセスに入ります。まずは、法人登記に必要な書類を揃えましょう。
法人登記に必要な書類については、次の章でくわしく解説します。
手順5:法務局での登記申請
必要な書類を揃えたら、法務局に書類を提出する形で登記申請を行います。書類に問題が見つからなければ、大体登記申請から1週間〜10日程度で法人登記が正式に完了します。
なお登記申請を行うのは、会社の本店所在地を管轄する法務局です。以下のページより管轄の法務局を検索できますので、かならず確認しましょう。
参考:管轄のご案内 法務局
法人登記に必要な書類
法人登記に必要となる書類は以下の8種類です。
設立登記申請書
設立登記申請書とは、本店所在地や商号など、設立する会社の基本的な情報を記載した書類です。設立登記申請書のフォーマットは、法務局の「商業・法人登記の申請書様式」というページから無料でダウンロードできます。
定款
認証を受けた定款の謄本を1部準備しましょう。
登録免許税納付用台紙
登録免許税納付用台紙とは、登録免許税の納税分に相当する収入印紙を貼り付ける台紙のことです。「資本金額×0.7%(ただし最小15万円)」に相当する収入印紙を郵便局などで購入し、A4サイズの台紙に貼り付けて提出します。
発起人決定書
発起人決定書とは、定款にて本店所在地を詳細に記載していない(番地などを記載していない)場合に必要な書類です。こちらの決定書では、発起人が本店所在地を正式に決定した旨や、番地を含む正確な住所を記載します。
役員の就任承諾書や印鑑証明書など
取締役や監査役などの役員について、就任を承諾した旨を証明する書類(就任承諾書)や、各取締役の印鑑証明書も提出する必要があります。
出資金の払込証明書
前述した出資金の払込証明書も、法人登記で提出すべき書類の1つです。「出資金の入金が記載されたページ」、「表紙」、「表紙の次の裏表紙(氏名や住所などが記載されているページ)」を冊子にしたものとなります。
作成する際には、各ページに割印が必須となるので注意してください。
印鑑届出書
法人を運営するにあたっては、実印が必要です。会社の実印を作るために、印鑑届出書を忘れずに提出しましょう。印鑑届出書に関しても、法務局のページより無料でダウンロードできます。
登記事項を記録したCD-R
登記事項に関しては、用紙ではなくCD-Rなどの電磁的記録媒体で作成・提出することも可能です。CD-Rにて提出する際には、法務局のホームページで紹介されている方法をご参照ください。
参考:商業・法人登記申請における登記すべき事項を記録した電磁的記録媒体の提出について 法務省
会社の設立の際に必要な法人登記:まとめ
今回ご紹介した法人登記の手順や必要書類を把握しておけば、スムーズに会社設立を果たせます。会社設立で法人登記が必要である方は、ぜひ参考にしながら手続きを進めていただければと思います。
参考:会社法 e-Gov