定年の再雇用で気をつけるべき5つのポイント!働きすぎると年金減額?!

再雇用で気をつける5つのポイント

一般的には60歳で定年を迎えますが、経済的な理由や仕事が楽しいなどの理由から、再雇用制度を利用して引き続き働きたいと考えている方は多いのではないでしょうか?定年後も働き続けられる点で再雇用の制度は便利ですが、いくつか注意すべき点もあります。

今回の記事では、定年の再雇用で気をつけるべき5つのポイントを解説します。定年後も働きたいと考えている方は参考にしてください。なお5つのポイントは、それぞれ密接につながっています。今回お伝えする5つのポイントの関連性を説明すると下記になります。

  • 65歳以上だと改めて再就職になることが多い
  • 再雇用は給与が下がる可能性が大きい
  • たくさん稼ぐと年金が減額される
  • 再雇用の給与の不足分を補う高年齢雇用継続給付を受けると、年金の一部を減額されてしまう
  • 以上を踏まえて、再雇用を考えるならば事前の戦略が大切

65歳以降は再び仕事を見つける必要がある

そもそも再雇用制度は、従業員が定年(一般的に60歳)を迎えた際に、再び雇用し直す制度です。

法律によって65歳までは就労の機会を与えることが義務付けられている関係上、多くの企業は65歳まで雇用契約を継続する形で再雇用制度を実践しています。

つまり従業員側から見ると、65歳までは安定的に働けるものの、それ以降は再び仕事を見つける必要があるわけです。永続的に働けるわけではないので、定年後ずっと働きたいと考えている方は注意です。

参考:高年齢者の雇用 厚生労働省

仕事内容が変わらないにも関わらず、給与が減額となるケースがある

二つ目の注意点は、仕事の内容に変化がないにも関わらず、再雇用により給与が減額するケースがある点です。

独立行政法人労働政策研究・研修機構が平成27年に公表した「60代の雇用・生活調査」によると、高年齢者の約半数は定年後も仕事内容が変わっていないと回答している一方で、賃金額については約4割の高年齢者が減少したと回答しています。また驚くべきことに、減少したと回答した人の大多数は、約4〜5割も賃金額が減少しているとのことです。

仕事内容が変わらないにもかかわらず、賃金が約4〜5割も下がるため、割に合わないと思ってしまう可能性が高いです。定年後も引き続き再雇用で働きたい方は、給与額が下がることを許容できるかどうかを、あらかじめ考えておく必要があるでしょう。

参考:60代の雇用・生活調査 労働政策研究・研修機構

在職老齢年金の仕組みにより年金が減額される可能性がある

「年金をもらいながら働くことで、豊かな老後を送りたい」と思っている方は多いでしょう。しかし在職老齢年金という仕組みにより、定年後に働きすぎると年金が減額される場合があります。
結論から言うと、65歳未満は「毎月の給与」と「年金」の額が合計で28万円、を超えると年金の一部が減額されます。減らされる年金の額については、給与と年金の金額に応じて、それぞれ下記の計算式で求めます。

⑴「給与≦47万円」かつ「年金≦28万円」
→(給与+年金−28万円)÷2

⑵「給与≦47万円」かつ「年金>28万円」
→給与÷2

⑶「給与>47万円」かつ「年金≦28万円」
→(47万円+年金−28万円)÷2+(給与−47万円)

⑷「給与>47万円」かつ「年金>28万円」
→47万円÷2+(給与−47万円)

たとえば月収が30万円、年金が15万円の場合は⑴の計算式で減らされる額が決まります。

(30万円+15万円−28万円)÷2 = 8.5万円

つまりこのケースだと、本来15万円もらえるはずなのに、8.5万円も減額されて、6.5万円しかもらえなくなるのです。 なお計算結果がマイナスとなる場合は、年金の支給自体が停止となり、一切年金をもらえなくなるので、再雇用制度で働く方は要注意です。

参考:60歳台前半(60歳から65歳未満)の在職老齢年金の計算方法 日本年金機構

高年齢雇用継続給付の仕組みでも年金がカットされる

再雇用された場合には、実は減少した給料の一部を高年齢雇用継続給付という制度により補填してもらうことができます。具体的には、最高で月額給与の15%に相当する額を支給してもらえます。

一見すると優れた制度ですが、この制度を利用すると、年金の一部を減額されてしまいます。どの程度年金を減らされるかはケースバイケースですが、最高で月額給与の6%も年金を減らされます。
つまり、せっかく高年齢雇用継続給付により減少した分の給与の一部を受け取っても、本来よりももらえる年金が少なくなってしまうのです。再雇用制度で定年後も引き続き働く方は、在職老齢年金に加えてこちらの制度にも注意しましょう。

参考:雇用保険の高年齢雇用継続給付との調整 日本年金機構

定年後もフルタイムで働きたいなら早めの準備や戦略が重要

前述したように、再雇用制度で引き続き定年後も働くと、仕事内容に関係なく賃金が下がってしまうケースが大半です。有望な若手の育成に資金を投資したいという意図もあり、どうしても定年を迎えた方は軽視されてしまうのが現状です。

少しでも定年後も有利な条件で働きたいならば、会社にとって需要のある人材になるのが一番です。そのためには、不足しているスキルや技能を習得したり、業績面で実績を残す必要があるでしょう。

スキルの補填や実績を残すことには時間がかかるため、早い時期から戦略的に準備を進めなくてはいけません。

定年の再雇用で気をつけるべき5つのポイント!のまとめ

定年後も働ける制度として、再雇用は近年大きな注目を集めています。

しかし今回お伝えした通り、再雇用で定年後も働き続けることには注意すべきポイントが多々あります。特に年金の減額は生活に直結する部分なので、定年後も働く場合には注意しなくてはいけません。

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