電子契約サービスで作成した契約書データの保管方法と電子帳簿保存法

電子帳簿保存法

電子契約サービスで契約書を作成した場合、電子帳簿保存法に定められた条件にしたがってデータを保管する必要があります。

今回の記事では、電子帳簿保存法の概要や、電子契約のデータを保管する方法をご説明します。

電子帳簿保存法とは

はじめに、電子帳簿保存法の概要をお伝えします。

電子帳簿保存法ってどんな法律?

電子帳簿保存法は、正式名称を「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」といいます。そんな同法は、税法で備付け・保存が義務付けられている帳簿や書類について、電磁的記録による保存を認める目的で策定されました。

電子帳簿保存法の分類

電子帳簿保存法に規定されている内容は、第4条1・2項と第4条3項、第10条の3種類に分類できます。

第4条1・2項は、システムで作成した国税関係帳簿や書類 (損益計算書や仕訳帳など)を電子データで保存できる旨について定めたものです。第4条3項は、紙で受け取った領収書や請求書、手書きで作った書類の控えなどについて、スキャナ保存で電子化して保存できる旨を定めたものです。

そして第10条は、電子契約(電子取引)に関するデータの保存義務を定めたものです。電子契約のデータを保存する場合は、財務省令(電子帳簿保存法施行規則)に定められた要件をクリアする必要があります。

契約書データの保管方法

電子契約のデータを保管する場合、電子帳簿保存法施行規則第8条に規定された下記5つの要件をクリアする必要があります。

保存場所・保存期間

施行規則第8条1項には、「当該書面を保存すべきこととなる場所に、当該書面を保存すべきこととなる期間」という表現が用いられています。

当該書面を保存すべきこととなる場所とは、電子契約の書類が作成・受領された国内における納税地を指します。一方で当該書面を保存すべきこととなる期間は、7年間(法人事業者の場合)となります。

つまり、基本的に電子契約のデータは納税地で7年間保存する必要があるのです。

関係書類の備付け

施行規則第8条および第3条1項3号のイの定めにより、電子計算機処理システムの概要を記載した書類の備付けが求められています。

簡単にいうと、利用する電子契約サービスのシステム概要書やマニュアルといった書類を備え付けることが条件です。

真実性の確保

真実性の確保とは、電子契約書に記録されている内容が本物であるようにすることです。施行規則8条1項1号または2号では、真実性の確保に向けて下記いずれかの対応を義務付けています。

  1. 記録事項にタイムスタンプを付した後に、取引情報の受け渡しを実施する
  2. 取引情報の受け渡し後遅滞なく、記録事項にタイムスタンプを付けるとともに、電磁的記録の保存を実施する者またはその者を監督する者に関係する情報を確認できるようにしておく

ただし、タイムスタンプの付与には多大なコストがかかります。そのため、以下に掲げる要件のいずれかをクリアしているシステムを用いて電子契約の情報を授受・保存することでも、真実性を確保する要件として認められています。

  1. 記録事項の訂正・削除を行った場合に、これらの事実と内容を確認できる
  2. 記録事項について訂正・削除を行えない

見読可能性の確保

施行規則第3条1項4号では、以下のとおり見読性の確保を要件として定めています。

  • 電磁的記録の備付けと保存を実施する場所で、ディスプレイの画面や書面に整然とした形式および明瞭な状態で、速やかに電子契約の情報を出力できるようにしておく

簡単にいうと、納税地ですぐに電子契約の内容を確認できることが条件となっています。

検索機能の確保

施行規則第3条1項5号では、電磁的記録の事項を検索できる下記の機能を確保することを要件として定めています。

  1. 取引年月日や勘定科目、取引金額などの主要項目を検索条件として設定できる
  2. 日付と金額に関する項目について、範囲を指定して検索できる
  3. 2つ以上の項目を任意に組み合わせて検索できる

紙の契約書を電子化する場合の注意点

紙の契約書を電子化して保存することを「スキャナ保存」といいます。スキャナ保存する際には、下記の2つが注意点となります。

  1. 納税地などの所轄税務署長から承認を得る必要がある
  2. 「真実性の確保」に関する要件が厳しい(書類作成・受領後の速やかなスキャニングが必要など)

特に真実性の確保に関しては、電子契約書のデータをそのまま保存する場合よりも要件が厳しいので要注意です。

電子契約サービスで作成したデータは、電子帳簿保存法に規定された要件をクリアする必要があります。今回ご説明した要件を参考に、電子契約サービスの利用にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

参考URL
電子取引 取引情報保存ガイドライン 日本文書情報マネジメント協会
電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律 e-Gov

関連記事

ページ上部へ戻る