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会社の役員が変わった場合の登記について!手続きの流れと必要書類を解説

役員の変更登記とは

法人登記には、会社名や資本金などと並んで役員の名前も記載されています。このため、役員に変更が生じれば、登記の変更をする必要があります。もし変更登記を怠ると、罰則の対象になりますから、速やかな手続きが求められます。役員の変更が生じた際、どのような書類を揃えて、どのような手順で手続きを進めればいいのか解説をしていきましょう。

役員の変更登記とは

株式会社などでは、役員が変わると変更登記が必要になります。

会社法では、「役員とは取締役・会計参与・監査役を指す」とされています。「役員の変更」とは、これらの役員がAさんからBさんに変わったということだけでなく、他にも変更登記が必要なケースがあります。会社において、どのような事態が発生すれば、役員の変更登記が必要になるのかを押さえておきましょう。

役員の変更登記が必要なケース

役員が、次のような立場になったときに、役員の変更登記が必要になります。

どんな会社でも役員の変更登記はある

株式会社の役員には任期があり、最長で10年とされています。任期満了後に同一人が役員に就任する場合(重任)であっても、役員の変更登記の対象になりますから、会社を一定期間継続している限り、必ず役員の変更登記が必要になります。

役員変更手続きの流れ

役員を変更するには、原則として株主総会の決議が必要になります。株主総会を経てどのような流れで変更登記に至るのかをみていきましょう。

株主総会を招集する

役員の変更に際しては、株主総会を招集します。

任期満了に伴う重任や退任、就任による変更は、定期株主総会で行います。任期満了以外の時期に変更する、役員の死亡、辞任、解任は臨時株主総会で行います。

承認決議をする

役員の変更は、株主総会の承認決議を行います。ただし、役員の死亡、辞任に伴う変更については、決議を要しません。

役員の変更登記をする

役員の変更登記は、決議後2週間以内に行うことと定められています。登記を忘れていた場合は、100万円以下の過料に課せられることがあります。

また、役員の変更登記を行わないままで、12年間以上経過すると、法務省が休眠会社として扱うおそれがあるので、役員の任期が満了した際には、確実に変更登記を行う必要があります。

役員の変更登記に必要な書類

それでは、役員の変更登記に必要な書類について解説をしていきましょう。

株式会社変更登記申請書

役員の変更登記に際しては、「株式会社変更登記申請書」を法務局で入手します。法務局のホームページより、「株式会社変更登記申請書」をダウンロードすることもできます。

商業・法人登記の申請書様式:法務局

登録免許税

登録免許税は、資本金の額が1億円を超える場合は3万円、1億円以下の場合は、1万円です。収入印紙または領収証書を収入印紙貼付台紙に貼り付けます。

添付書類

添付書類は、役員の変更事由によって異なります。ケースごとに説明をしていきましょう。

役員が就任する場合

役員が就任する場合は、次の書類を添付します。

就任承諾書は、議事録の中に被選任者が就任を承諾した旨の記載がある場合は、添付は必要ありません。その場合は、申請書に「就任承諾書は、株主総会議事録の記載を援用する」と記載します。

なお、株主総会議事録の記載を援用する場合、取締役会を設置していない会社は議事録に実印を押す必要があります。取締役会設置会社は認印で可とされています。

役員が重任した場合

役員が重任した場合は、次の書類を添付します。

前役員と同一人物が就任するので、就任承諾書と誓約書は不要です。

役員が辞任した場合

役員が自らの意思で辞める場合を辞任といいます。添付書類は辞任届です。株主総会の議事録は不要です。

なお、辞任をする役員が株主総会の場で辞意を表明し、その旨が記載された議事録及び株主リストが提出された場合は、辞任届の添付は不要です。

役員が退任した場合

役員が退任した場合は、次の書類を添付します。

役員が死亡した場合

役員が死亡した場合は、当該役員の死亡診断書または戸籍謄本等を添付します。

役員を解任した場合

役員が犯罪を起こしたり、故意に会社に大きな損害を与えたりした場合、臨時株主総会において解任することができます。

これにより役員を解任した場合は、次の書類が必要です。

役員が「欠格事由」に該当した場合

欠格事由は、会社法で次の4種類とされています。

役員が任期中にこうした欠格事由に該当した場合、次の書類を添付します。

役員の住所や氏名を変更する

役員の氏名や住所が変わった場合でも変更登記が必要になります。この場合、添付書類は不要ですが、変更後の住所や氏名は住民票や戸籍の記載とまったく同一にする必要があるため、住民票や戸籍を入手して、正確に申請書に記載する必要があります。

なお、会社法の改正により、婚姻によって氏を変更した役員は、戸籍上の氏名と併記して婚姻前の氏名を表示することができるようになりました。併記を希望する場合は、婚姻前の氏が確認できる書類として、婚姻により氏が変更されたことが記載されている住民票や戸籍謄本を添付します。

また、区画整理や住居表示の変更により役員の住所が変更になった場合は、市区町村の証明書を添付することで、登録免許税は免除されます。

会社の役員が変わった場合の登記について!手続きの流れと必要書類を解説:まとめ

役員の変更登記は、任期満了による重任も対象になるため、持続している限り、どんな会社においても必ず発生する手続きです。同じ取締役が再任されたからといって変更手続きを怠っていると、罰則の対象なりますから、確実に手続きをしましょう。

それほど複雑な手続きではないため、専門家に依頼することなく進めることも可能ですが、確実に手続きを行いたい場合は、司法書士に依頼することになります。その際は、添付書類として委任状を用意する必要があります。

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