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たった1年で合格率4%の司法試験予備試験に上位合格。短期合格者の勉強法とは?

世の中、多くの予備試験の勉強法が提唱されていますが、1年で合格するための勉強法とはいったいどのようなものでしょうか。「これは世の中に発信したほうがいい」そう考えたLegalSearch事業部マネージャーは、その従業員に緊急インタビューを行い記事にすることとしました。

わずか1年間の勉強で、ほとんどの科目でA評価を獲得し、令和3年度の予備試験に63位という上位成績で合格したスタッフの効率的な勉強法をここに記します。

※このページの最後に合格者のプロフィールがあります。

*予備試験とは
司法試験を受けるためには法科大学院の卒業が条件とされていますが、予備試験とは法科大学院をスキップするための試験です。予備試験は、半年間にわたり短答式試験、論文式試験、口述試験の3段階で行われ、合格率はわずか3~4%です。

合格までのスケジュールについて

ー スケジュールを教えてください

勉強開始~合格までの具体的なスケジュールはこんな感じです。

予備試験の勉強は2020年の5月から始めました。各科目順番にインプットをしていき、余力があるときは2科目並行でインプットをしていました。

インプット・アウトプットの方法とそのコツとは?

ー インプットはどのようにしていましたか?

インプットは大手予備校のテキストと講義を利用しました。一日3時間をインプットに費やし、余力があるときはもう3時間費やすことを目標にしていました。そして、3時間のインプットに対しては2~3時間の復習をするように心がけていました。

勉強を開始したころはやる気に満ち溢れていたため、憲法と刑法の2科目を1か月半程度で終わらせるペースで進んでいましたが、民法は必要な知識量も多かったことに、中だるみもあいまって3か月程度の時間をかけてしまいました。

ー インプットとアウトプットをどのように行っていましたか?

勉強をしていて、予備試験のインプットにはコツがあると思いました。

各科目のインプットをするときに並行して短答の過去問を解くようにしていました。そうすることで、インプットとアウトプットが並行して行うことができるうえ、短答式試験の対策に全集中する期間を3週間程度に抑えることができました。

また、勉強を開始するときに、論文の問題を何回か見たあとに学習を開始するといいのではないかと思います。なぜなら、論文をどのように書くのか、論証はどのように使うのか、学説はどのように用いるべきかを理解しないままインプットをすることは時間の無駄だからです。

実は、勉強をはじめた最初の頃、ちょうど憲法と刑法を学習している時期は論文の問題を一切見ずにインプットをしていたため、がむしゃらに教科書の内容を理解するという効率の悪い勉強をしてしまいました。その結果、インプットが終わっても論文をなにも書けないという状態だったので、これはまずいと思い前述のような勉強方法に切り替えました。

勉強計画と対策時期について

短答式・論文式・口述式の対策時期

ー 短答式の対策はいつから?

勉強を始めた当初から短答式試験の過去問を分野別に少しずつ解いていました。

4月の終盤から短答式試験の対策に全集中しました。対策は過去問を年度ごとに解いていき、合格点を超えるまで繰り返しました。

短答式試験が終わってからは、論文対策を再開しました。全科目の対策が終わったあとは、問題の復習とあわせて判例の読み込みをしました。

ー 口述の対策はいつから?

口述の対策は、論文式試験の合格発表が終わったあとに開始しました。論文の知識で概ね対応できるため、特に新しい勉強をする必要はありません。

ー 勉強は計画通りにできましたか?

ゼミで大学対抗交渉コンペティションに出場したため、9月から11月にかけて司法試験の勉強に一切手をつけることができませんでした。これによって、年内にインプットを終了するという目標が達成できず大きく予定が崩れました。かなり焦りを感じましたが、落ち着いて目の前に残っているインプットを1科目ずつこなしていきました。

遅くとも2月半ばから論文対策を始めないとどう計算しても日程が足りなくなるため、行政法のインプットと並行して論文対策を始めました。論文対策も大手予備校のテキストと講義を利用して、旧司法試験の過去問と予備試験の過去問を解きました。

それぞれの対策内容

短答対策について

もっとも、短答式試験は突破すればよいので、完璧にする必要はありません。つまり、最低限の力で乗り切ることが重要だと考えています。私は、試験の1週間前くらいには合格点を超えるようになったため、短答対策と並行して論文科目の実務基礎科目のインプットも始めていました。

論文対策について

論文は、とりあえず書く、分からなくても答案を作成し、本番の対応力をつけ、その後復習をするべきだという勉強法を多く聞きますが、私はこの方法を一切取りませんでした。

知識もない状態で、方向性も分からないまま答案を作成することは、時間の無駄です。予備試験では、答案を書く時間が大体45分から50分にも及ぶため、その長い時間を無駄にすることは非常にもったいないと思います。

そのため、私は歯が立たない問題がある場合には、すぐに見切りをつけて答案例を熟読し、それに関連する教科書や判例を読み込むようにしていました。特に、商法はインプットがあまりに不十分であったため、1通も答案を書かずに復習を徹底しましたが、本番でA評価を取ることができました。

とはいうものの、論文式試験ではとても速いペースで答案を完成させることが求められます。そのため、直前期には予備試験の模擬問題を時間通りに解く練習をして腕の体力を鍛えていました。

また、予備校のテキストを繰り返し解いて完璧にしても、同じ予備校に通う相手と差をつけることができません。司法試験は相対評価なので、常に他の人と差をつけることを考える必要があります。そこで、私は、2周目の論文対策をする際には、判例百選を読み込んで論証をより充実化させ、判例の射程をも把握することであてはめの充実化も図りました。

口述対策について

口述式試験では、論文以上の知識は問われません。しかし、瞬時に返答することが求められているため、会話をしながら適切な返答をする能力が重要です。そのため、私は口述試験を受験する友達とともにロールプレイングをして対策をしました。

合格までの勉強時間について

ー 勉強時間はどのくらいですか?

毎日8時間勉強することを目標にしていましたが、大学やアルバイト、ゼミとの両立もあり、なかなか達成することはできませんでした。そのため、少しの時間でも大学の図書館に行き、短い勉強時間を確保するようにこころがけていました。

私は、スマートフォンのアプリで勉強の記録をつけていましたが、合計勉強時間はおよそ1500時間でした。

~月別勉強時間~

参考書は何を使いましたか?

全科目、基本的に予備校のテキストを使いましたが、それ以外の本も利用しました。手を広げすぎると収拾がつかなくなるから参考書は利用するなという勉強法を多く聞きます。

たしかに、自分の処理できる量を超える参考書を利用すると、すべて中途半端になってしまいます。
しかし、最初に利用を始めた参考書を妄信していると一つの問題を多角的な視点からとらえることができなくなり、論証やあてはめの質の低下を招きます。法学は本質的に、学説の対立を基礎としているため、余力のある限り他の本にも触れることで、柔軟な思考力の養成や自説の限界等の理解をすることが大切です。

また、参考書というのかは分かりませんが、判例百選を読むことは必須だといえます。解説にはその判例の争点や射程などについて、学者や実務家の方の丁寧な説明があります。これを理解すると、論文式試験の問題のポイントや争点を容易にピックアップできるようになります。

まとめ

以上の勉強法により、論文式試験ではほとんどの科目でA評価を得て、論文、口述ともに2桁半ばの順位で合格することができました。試験で周りの人と差をつけるためにはなにが必要か、今の自分の勉強法に間違いはないかを常に考えて学習することが大切です。

合格者プロフィール

リーガルテック株式会社 リーガルテック事業推進
田中 翔大 氏(東京大学法学部4年)

※照れながらも同僚にて撮影される田中氏の様子

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