ドラレコは交通事故の強い味方!しかし…?
昨今タクシーやバス、自家用車まで搭載数が増加しているドライブレコーダー(ドラレコ)。交通事故やあおり運転の現場をとらえ、被害の全容を暴いたドラレコの映像をニュースなどで見たことがある方も多いかと思います。
加害(被害)車両や事故の現場を鮮明にとらえ、交通事故の際の強い味方となるドラレコですが、交通事故に遭ってしまうと壊れてしまうこともあります。
また、後述のように、ドラレコの性質上物理的な異常が無くてもデータが再生できなくなる場合もあるのです。
このように、ドラレコは交通事故のときの頼もしい味方となりますが、いつでも取り外してそのまま証拠として使える、とはいかない可能性もあります。
なぜドラレコの映像が見られなくなるのか
ドラレコの映像が消えてしまう原因はどこにあるのでしょうか。
ドラレコ以外のHDDなどと同様に、故障の要因は大きく二つに分けられます。
・物理障害
一つは物理障害です。
ドラレコが物理的に破損したために内部のSDカードが読み取れなくなることを言います。事故で物理的に壊れてしまった場合はもちろん、繰り返し書き換えを行う都合上数年で寿命が来てしまい、撮影ができなくなることも考えられます。
また、特に夏場車内は高温になるため、ドラレコの内部が故障してしまい録画ができなくなる可能性があります。
事故の際、ドラレコは無事だが「そもそも撮影されていなかった」とならないよう定期的にチェックする必要があるでしょう。
・論理障害
もう一つの要因は論理障害です。
こちらは物理的な破損以外にデータを見られなくなる事象です。様々なソフトウェア的要因によって正常な動作をしなくなってしまう場合の他、ドラレコの特有の仕様として事故当時のデータを上書きしてしまうためにデータが見られなくなる場合が当てはまります。
なお、機種によっては自動車の衝撃を感知して映像用の別フォルダを作成するなど事故時の映像が消えにくい仕様となっているものもあります。
ですが、全てのドラレコに搭載されているわけではなく、また、別フォルダの容量も有限なので、事故に遭った場合はそのドラレコを通電させない、あるいはSDカードを抜くといった対応が必要です。
ドラレコだけじゃない!自動車のデータを総合的に復旧する自動車フォレンジック®とは
では、これらの故障によってドラレコの映像が残っていなかった場合にはもうあきらめるしかないのでしょうか。
もちろんそうではありません。
ドラレコが破損するなど、映像の再生ができなくなってしまった場合でも復元を行えるサービスがあります。
これらのサービス(業者へ依頼する場合やソフトを使って自分で行う場合があります)を利用することで映像を復元することが可能となる場合があります。
一般的にドラレコは、事故から時間がたてばたつほど復元が難しくなりますから、事故があった場合は速やかにご相談・ご対応するのをお勧めします。
ですが、これらのサービスでドラレコの映像を復元できたとして、それだけで万全なのでしょうか。
自動車が高度にIoT化している現在、様々な機器が自動車に搭載されており、それらの情報が事故原因の分析に大きな役割を果たすこともあります。例えば事故時の位置情報を正確に記録したカーナビや、交通事故時のアクセル・ブレーキ・ハンドルなどの動作を記録したイベントデータレコーダ(EDR)、自動運転用に周囲の映像を常に記録している車載カメラなど、事故の解析に資する情報、それらのデータが記録された機器はいくつもあります。
ドライブレコーダーに加えてこれらの情報があれば事故の原因は正確に判明するでしょう。
AOSグループが行っている「自動車フォレンジック®」は、調査対象となるデータを保存・解析し法的証拠に活用する「デジタルフォレンジック」の技術を応用し、ドラレコだけでなく、幅広い車載機器のデータを復元・解析するサービスです。
詳しくはこちら : https://www.fss.jp/auto/
ドライブレコーダーについては破損したドライブレコーダーの動画データを復元して、再生可能にする「動画フレーム復元」だけでなくぶれた画像、ぼけた画像の鮮明化をする「画像鮮明化」のメニューも用意し、その他機器についてもデータの抽出・鮮明化などを行うことが可能です。
事故に巻き込まれた際、強い味方となるドラレコやその他の機器。これらが記録した情報を余すことなく使うため、事故の際は自動車フォレンジック®の活用を検討してみてはいかがでしょうか。