全体 (306件)
[判例]
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福岡地方裁判所 平成3(行ウ)13 平成5年2月19日
- から受け取った敷金(以下「本件敷金」という。) 一億四四三〇万円を控除した一一億五五七〇万円であり、このうちAの取得分は一〇億三一五五万九七一〇円であった。 これに対して、被告は、本件の場合、Aは、賃借人の東映から預かった敷金の返還債務を五大が承継したことに伴い、返還すべき敷金相当額を五大に交付すべきところ、本件土地の譲渡代金債権をもって右敷金相当額とその対等額 第三 争点に対する判断一 争点1(本件敷金相当額は譲渡収入金額から控除されるべきか、及び本件敷金相当額は譲渡費用に当たるか。)
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最高裁判所第二小法廷 昭和46(オ)357 昭和48年2月2日
- 敷金の担保的効力が奪われるべきではないから、賃貸借終了後に賃貸家屋の所有権が譲渡された場合においても、少なくとも旧所有者と新所有者との間の合意があれば、貸借人の承諾の有無を問わず、新所有者において敷金を 承継することができるものと解すべきであり、したがつて、被上告人がFに本件敷金を譲渡したことにより、Fにおいて右敷金の担保的効力とその条件付返還債務とを被上告人から承継し、その後、右敷金は、前記の一か月二万四九四七円 すなわち、敷金は、右のような賃貸人にとつての担保としての権利と条件付返還債務とを含むそれ自体一個の契約関係であつて、敷金の譲渡ないし承継とは、このような契約上の地位の移転にほかならないとともに、このような
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大阪高等裁判所 平成13(ネ)2083 平成14年1月25日
- (2) 原判決は, 「ア(ア) 賃貸借契約と敷金契約には密接な関係があり,事実上,敷金の差し入れがなければ賃貸借契約が成立しないという特殊な関係に立つ。 3 当審における当事者双方の主張 (1) 控訴人の控訴理由 ア 原判決は,①敷金と賃貸借契約との密接な関係,②借家人の敷金返還への期待,③未払賃料が敷金と相殺されるべき関係にあることを根拠に,本件が最高裁判決 「敷金」であると認められる。
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東京簡易裁判所 民事第5室 平成14(ハ)13095 平成15年4月8日
- 第3 詰求の原因に対する被告の主張,抗弁 (1) 寄託された敷金の額は240万円ではなく200万円である。A社が平成2年4月ころ被告に金40万円を敷金として 追加寄託したとする事実はない。 (2) 原告主張の地位承継契約書等に敷金240万円の記載があるが,これらは追加敷金40万円が預託されたものと勘違い して作成されたものであり,40万円が入金されていないと知っていたならば当然債権譲渡につき (2) 原告は,平成11.年7月31日付けで本件の敷金返還請求権を A社より譲り受けるに際して,A社より被告 を貸主とし,A社を借主とする本件建物の賃貸契約書を見せられて,本件敷金は240万円であると信
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広島地方裁判所 平成13(ワ)1606 平成14年8月29日
- 3 争点に対する当事者の主張 (1) 被告の主張 破産法103条1項後段は,敷金返還請求権が現在化していない間は,将来発生する敷金返還請求権を自働債権とする相殺を認めないが,敷金返還請求権以外の破産債権 イ 被告は,破産会社に対し,敷金名下に1750万円を差し入れているが,これは賃料の10か月分にも相当し,本来の意味における敷金ではない。 この規定は,賃借人が敷金を差し入れている場合,その金額が既に破産財団の利益となり,破産財団は,賃借人との契約関係が終了するまで敷金の返還を免れ,これを資金として運用できるという利益を有することから,敷金
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最高裁判所第二小法廷 昭和52(オ)844 昭和53年12月22日
- 約し、又は新賃借人に対して敷金返還請求権を譲渡するなど特段の事情のない限り、右敷金をもつて将来新賃借人が新たに負担することとなる債務についてまでこれを担保しなければならないものと解することは、敷金交付者 にその予期に反して不利益を被らせる結果となつて相当でなく、敷金に関する敷金交付者の権利義務関係は新賃借人に承継されるものではないと解すべきである。 なお、右のように敷金交付者が敷金をもつて新賃借人の債務不履行の担保とすることを約し、又は敷金返還請求権を譲渡したときであつても、それより以前に敷金返還請求権が国税の徴収のため国税徴収法に基づいてすでに差
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大阪高等裁判所 第三民事部 昭和42(ネ)1436 昭和44年8月5日
- すなわち、本件の場合には、Aが訴外組合を代理して訴外組合のために賃貸借契約を締結し敷金を差し入れるものであることを、被告会社が賃貸借契約の締結、敷金の受領当時知つていなくても、みぎ賃貸借および敷金寄託の 控訴人は、Aは訴外組合を代表して訴外組合のために前記H号室を賃借し前記敷金を被告会社に寄託したから、みぎ敷金の返還請求権者は訴外組合であると主張し、被告会社はA個人がみぎ貸室を賃借し敷金の寄託をしたから 、敷金返還請求権者はA個人であると主張し、原告銀行はA個人がみぎ貸室を賃借し敷金を寄託したが、Aは昭和三〇年九月五日Cに営業譲渡をした際に、本件敷金返還請求権をCに譲渡したから、みぎ敷金の返還請求権者は
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最高裁判所第一小法廷 平成12(受)836 平成14年3月28日
- 賃貸借契約における敷金契約は,授受された敷金をもって,賃料債権,賃貸借終了後の目的物の明渡しまでに生ずる賃料相当の損害金債権,その他賃貸借契約により賃貸人が賃借人に対して取得することとなるべき一切の債権 これを賃料債権等の面からみれば,目的物の返還時に残存する賃料債権等は敷金が存在する限度において敷金の充当により当然に消滅することになる。 したがって,敷金契約が締結された場合は,賃料債権は敷金の充当を予定した債権になり,このことを抵当権者に主張することができるというべきである。
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大阪高等裁判所 第14民事部 平成19(ネ)2775 平成20年9月24日
- 敷金4億円を「本件敷金」という 。。) そうであれば本件敷金も控訴人を使者としてZ電鉄に差し入れられたものに過ぎないから,その敷金返還請求権(以下「本件敷金返還請求権」という )は被控訴人に。帰属するというべきである。〔控訴人〕否認する。 しかし,本件敷金は,本件賃貸借契約2に基づき,授受されているだけで,被控訴人との関係で,本件敷金返還請求権について,それが控訴人が被控訴人に対して負担する敷金返還義務の履行以外の使途に使用されないことを
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名古屋簡易裁判所 平成20(少コ)438 平成21年6月4日
- 敷金は60万円で全額償却するのが相場であるが,本件では敷金を30万円としていることから,これを全額償却としても,賃貸人に一方的に有利とはいえず,敷金の償却の約定が社会的相当性を逸脱しているともいえない。 (2) 敷金を全額償却する旨の契約条項は,賃借人の権利を不当に制限するものであるから無効であり,被告は敷金返還義務を負うべきである。 (2) 敷金等の返還義務について甲1の契約条項7条には,保証金(敷金)30万円は全額償却する旨の記載が認められるが,敷金は一般に賃貸借契約から生ずる賃借人の債務(未払家賃や賃借人が負担する必要のある修繕費等
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最高裁判所第一小法廷 平成17(オ)184 平成18年12月21日
- (以下「本件敷金」という。) に対し,破産会社が本件各銀行に対して負担する一切の債務の担保として,本件各賃貸借に基づき破産会社がBに対して有する本件敷金の返還請求権(以下「本件敷金返還請求権」という。) そして,建物賃貸借における敷金返還請求権は,賃貸借終了後,建物の明渡しがされた時において,敷金からそれまでに生じた賃料債権その他賃貸借契約により賃貸人が賃借人に対して取得する一切の債権を控除し,なお残額
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最高裁判所第二小法廷 平成13(許)20 平成13年11月21日
- なお,国は,平成6年5月,国税徴収法に基づいて,Dの抗告人に対する将来生ずべき敷金返還請求権を差し押さえた。 しかし,土地の賃借人が賃貸人に敷金を交付していた場合に,賃借権が賃貸人の承諾を得て旧賃借人から新賃借人に移転しても,敷金に関する旧賃借人の権利義務関係は,特段の事情のない限り,新賃借人に承継されるものではない その場合,付随的裁判が当事者間の利益の衡平を図るものであることや,紛争の防止という賃借権の譲渡の許可の制度の目的からすると,【要旨】裁判所は,旧賃借人が交付していた敷金の額,第三者の経済的信用,敷金に関
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さいたま地方裁判所 第1民事部 平成21(レ)167 平成22年3月18日
- は,その3条に具体的な敷金条項が記載されているが,その敷金額欄は抹消され金額の記載がない(甲1 。) 2 本件の争点及び争点に対する当事者の主張(1) 争点1本件交付金は,敷金であり,全額返還請求できるか。ア 控訴人の主張本件交付金は,敷金契約に基づき差し入れた敷金である。 控訴人は,定額補修費は敷金であると主張するが,本件契約書には「敷金条項」があるのに敷金欄に記載がなく 「振込金明細書・必要書類一,覧」には「敷金」欄が「敷金定額補修費」と訂正され,その欄に本件交付金が記載
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東京簡易裁判所 民事第5室 平成20(ハ)5970 平成20年11月19日
- (3) 原告は,平成18年3月10日,被告に対し,本件賃貸借契約に関し,敷金として108万円(以下「本件敷金」という )を交付した(争いのな。い事実 。) 件即時解約金が本件敷金から控除される。イ 本件償却特約により,償却費として賃料3か月分相当額28万8000円(以下「本件償却費」という )が本件敷金から控除される。。 告の負担した平成19年6月21日から同年7月3日までの未払電燈,空調料金1万7260円が本件敷金から控除される。オ 以上により,本件敷金から控除される金額は合計70万7840円である。
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最高裁判所第三小法廷 平成4(オ)874 平成8年6月18日
- 8 本件賃貸借契約で定められた敷金三〇〇〇万円は、同年一二月までに、全額がDから上告人に差し入れられた。 二 本件訴訟は、右のとおり、貸金債権を担保するためにDの上告人に対する敷金返還請求権に対して質権の設定を受けた被上告人が、質権に基づく取立権(民法三六七条)により、上告人に対して右敷金返還請求権のうち自己 控除される金額の割合を定めるものであって、返還の対象となる敷金の額と密接なかかわりを有する約定である。
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京都地方裁判所 第2民事部 平成18(レ)79 平成19年4月20日
- ,賃貸借契約終了時に敷金の一部を返還しない旨のいわゆる敷引特約が付されており,被控訴人から敷金35万円のうち5万円しか返還されなかったことから,上記敷引特約が消費者契約法10条により全部無効であるとして 敷引特約が付されており,被控訴人から敷金35万円のうち5万円しか返還されなかったことから,上記敷引特約が消費者契約法10条により全部無効であるとして,被控訴人に対し,不当利得に基づき,敷金残金30万円及 対し,敷金35万円を交付し。)
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京都地方裁判所 第7民事部 平成18(レ)37 平成18年11月8日
- に基づいて,上記敷金のうち5万円しか返還しなかったことから,被控訴人が,本件敷引特約は消費者契約法10条により無効であるとして,控除された敷金30万円の返還及びこれに対する敷金返還期日の翌日である平成17 敷金の本質からみて不合理な特約である。 この点,賃借人の債務の有無・その額にかかわらず,敷金の一部を賃借人が当然に取得することは,敷金授受の目的を超えており,それ自体から賃借人の利益を一方的に害するように見える。
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最高裁判所第一小法廷 平成17(受)276 平成18年12月21日
- (以下「本件敷金」という。) に対し,破産会社が本件各銀行に対して負担する一切の債務の担保として,本件各賃貸借に基づき破産会社がBに対して有する本件敷金の返還請求権(以下「本件敷金返還請求権」という。) そして,建物賃貸借における敷金返還請求権は,賃貸借終了後,建物の明渡しがされた時において,敷金からそれまでに生じた賃料債権その他賃貸借契約により賃貸人が賃借人に対して取得する一切の債権を控除し,なお残額
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最高裁判所第一小法廷 昭和48(オ)30 昭和49年9月2日
- そこで、期間満了による家屋の賃貸借終了に伴う賃借人の家屋明渡債務と賃貸人の敷金返還債務が同時履行の関係にあるか否かについてみるに、賃貸借における敷金は、賃貸借の終了後家屋明渡義務の履行までに生ずる賃料相当額 このような観点からすると、賃貸人は、特別の約定のないかぎり、賃借人から家屋明渡を受けた後に前記の敷金残額を返還すれば足りるものと解すべく、したがつて、家屋明渡債務と敷金返還債務とは同時履行の関係にたつものではないと そして、このように賃借人の家屋明渡債務が賃貸人の敷金返還債務に対し先履行の関係に立つと解すべき場合にあつては、賃借人は賃貸人に対し敷金返還請求権をもつて家屋につき留置権を取得する余地はないというべきである
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最高裁判所第三小法廷 昭和37(オ)1319 昭和39年5月26日
- の建物賃貸借契約証書に敷金の点に関してなんらの記載がないことが認められるということを挙示していることは、原判文に徴し明らかなところである。 ヶ月たむ共支払を延滞したる時は敷金の有無に不拘何等の催告を要せずして当然本契約は解除せられたるものとし、直ちに建物明渡の御請求有之候共異議無之候事」とあり、その敷金の額が一八万円であるとの記載こそないけれども 、原判示のように、右証書に敷金の点に関しなんらの記載がないものとは到底いいえない。